未経験からWebマーケターへ|「Webマーケター」の4種類と、現実的な入口

公開日:2026-09-11 / 更新日:2026-09-11 / 執筆:キャリアのナナメ相談所 編集部

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。広告表記について

「Webマーケターは未経験でもなれる」。そう書かれた記事は、検索すればいくらでも出てきます。ですが、その一文だけを信じて応募すると、たいてい書類の段階で止まります。

理由は、応募した人の経歴が足りないからではありません。「Webマーケター」という職種名が指している仕事が、一つではないからです。広告を運用する仕事、検索から人を集める仕事、SNSを運用する仕事、既存のお客様に配信する仕事。どれもWebマーケティングと呼ばれますが、求められる経験も、未経験から入れるかどうかも、まるで違います。

調べても仕事の中身がつかめないのは、読み方が悪いからではありません。一つの言葉に、性質の違う仕事がまとめて入っているせいです。

この記事では、まず職種名を4つに分けるところから始めて、未経験が現実的に入れる入口、独学で用意できる成果物、そして学ぶ順番までを整理します。

「Webマーケター」は、4つの別の仕事の総称

求人を開く前に、この言葉が指している範囲を整理しておきます。呼び名が同じでも、採用する側が確かめたい経験はまるで変わるからです。

仕事何をするか未経験からの入りやすさ
広告運用広告の入稿、予算の配分、数値の改善代理店のアシスタント求人が多く、いちばん入口が広い
SEO検索から人を集めるための記事づくりとサイト設計制作会社やメディア運営会社。ライター経験からつながる道もある
SNS運用投稿の企画と運用、反応の分析求人自体が少なく、事業会社で他業務と兼務することが多い
CRM・メルマガ既存のお客様への配信と、反応を見た改善事業会社が中心で、経験者を求める求人が多い

広告運用は、管理画面を見ながらどこにいくら使うかを決めて、数字が動いたら配分を変える仕事です。入稿やレポート作成から始める求人なら、先輩が判断する部分と新人に任せる部分を切り分けやすいので、4つのなかでは未経験の募集がいちばん集まります。

SEOは、検索した人に必要な情報が届くように、キーワードを調べて記事の構成を考えたり、サイトの中身を整えたりします。文章力だけで採用が決まることは、まずありません。それでも、ライターや編集の経験があるなら、そこを入口にできる求人もあります。

SNS運用は、投稿を作って終わりではありません。どの投稿に反応が集まったのかを確かめて、次の企画へ反映するところまでが仕事なので、自分のアカウントを育てた経験も材料になります。ただ、企業のアカウントを任されるとなると、商品の理解から社内の調整まで一気に増えるので、個人の運用と同じ感覚では進みません。

CRM・メルマガは、すでに接点のあるお客様との関係をつなぎ続ける仕事で、配信する相手や件名を変えながら、反応を見て直していきます。顧客データを扱う仕事なので、未経験の人にいきなり任せる求人は多くありません。

名前は一つでも、中身は4つです。入口の広さもここまで違うので、先に分けておくと、求人票を開いたときに「自分がやりたいのはどれなのか」から考えられます🌱

求人の量も、職種でまるで違います。

エンジニア(IT・通信) 11.06倍
企画・管理 3.05倍
営業 2.85倍
クリエイター 1.14倍
事務・アシスタント 0.53倍

出典:パーソルキャリア「doda転職求人倍率レポート」 2026年6月時点(全国)。転職求人倍率は、求職者1人に対して何件の求人があるかを表します。棒の長さは最も高いエンジニア(11.06倍)を100%として表示しています。

実際の仕事は、数字を追う面と見せ方を作る面の両方にまたがっているので、dodaの分類でいえば、広告運用やCRMは企画・管理の側に、制作寄りの仕事はクリエイターの側に入りそうです。ただし、どちらに何件入っているかは公表されていないので、この数字をWebマーケターの求人倍率として読むことはできません。

それでも、この差は知っておいて損はありません。「Webマーケター」という一語で検索すると、性質の違う2つの市場が混ざったまま目に入るからです。広告運用、SEO、SNS運用、CRMまで検索語を下ろしていくと、拾える求人はごっそり変わります。

同じ仕事でも、業界が変われば年収の相場も違います。

未経験でも年収アップは狙えるか 業界選びの話

未経験の入口が、代理店に偏っている理由

応募先を探すときは、会社の種類も見てください。仕事の中身が同じに見えても、新人を教える体制があるかどうかで、入口の広さがはっきり分かれます。

事業会社は、自分たちの商品やサービスを売る会社です。マーケティング担当が社内にいて、自社の商品を深く理解しながら進めます。幅広く経験できそうに見えますが、担当が1人から数人しかいない会社も多く、一人で広告からサイト改善まで抱えている人が、その隣で未経験者に基礎から教えるとなると、さすがに無理があります。

つまり事業会社の書類が通らないのは、応募した人の力が足りないからではありません。教える人がいないだけです。

代理店は事情が違います。他社の広告やマーケティングを請け負って、複数の案件をチームで進めるので作業を分担でき、入稿やレポート作成のように、判断が必要な部分と手を動かす部分を切り分けやすいんです。だから未経験の求人は、代理店の側に偏ります。

もちろん、代理店なら誰でも入れるわけではありません。広告の管理画面を触った経験を必須にしている求人もありますし、営業経験やExcelの操作を条件に挙げる会社もあります。それでも、未経験から探すなら「代理店のアシスタント」を軸にしたほうが、候補は確実に増えます。

代理店にも大きさの違いがあって、入ったあとの見え方はけっこう変わります。大手は担当する範囲が細かく決まっているので、入稿なら入稿を数か月かけて覚えます。逆に十数人ほどの会社だと、入稿からレポート作成、クライアントへの報告まで一人で通すこともあるので、早く全体をつかめる代わりに、聞ける相手は限られます。

どちらが良いかは、いまの自分が何を欲しいかで決まります。手順を教わりながら確実に覚えたいなら前者、多少あらくても早く全体を触りたいなら後者です。求人票の従業員数と、募集人数を見ると、どちらのタイプか見当がつきます。

求人票では、会社名より仕事内容を読んでください。「マーケティング担当」と書いてあっても、中身は営業企画ということも珍しくありません。逆に「広告運用アシスタント」「Web広告の入稿」「レポート作成」と具体的に並んでいれば、入社直後に何をするのかが見えます。

「未経験歓迎」の4文字だけで応募先を決めると、入ってから仕事内容のズレに気づきます。必須条件と歓迎条件を分けて読んで、最初に任されるのが何なのかまで確かめてみてください🔎

未経験歓迎の求人票をどう読むか

見せられるのは作品ではなく、数字を触った記録

ここで「実績がないから応募できない」と手が止まる人は多いです。広告運用を目指すなら、自分で広告費を使った経験がないと、面接で話せることが何もないように思えますよね。

でも、見られるのは金額ではありません。何かを変えて、その前後で数字を見た経験があるかどうかです。

たとえば、こんな人がいました。

20代後半でアパレル店の店長をしていた人が、広告運用の求人に応募しました。店舗では売上を見るのが好きで、曜日ごとの客数や商品の動きを確かめながらスタッフの配置を考えるのも、苦にならなかったそうです。ところが面接で「自分で何かを運用して、数字を見た経験はありますか」と聞かれたとき、言葉が止まりました。

「広告費を出した経験がないので、何も話せません」

マーケティングの経験とは広告の管理画面を触ることだ、と思い込んでいたからです。実際には、店舗でやっていたことがそのまま材料になるんです。

広告費がなくても、数字が出るものは手元にあります。SNSなら投稿の内容や画像を変えられますし、ブログなら記事のタイトルや構成を変えられますし、フリマアプリでも、商品画像や説明文を差し替えたあとに閲覧数や売れるまでの日数を確かめられます。

  1. 何を選ぶ自分のSNS、ブログ、フリマアプリなど数字が出るもの
  2. 何を変える投稿内容、画像、タイトル、説明文など
  3. どう記録する変える前と後の数字、変えた理由、結果をメモする
  4. 面接でどう話す「こう考えて変えたところ、こう動いた」と順番に説明する

数字の大きさは関係ありません。フォロワーが100人でも、閲覧数が二桁でも構いません。何を見て、なぜ変えて、そのあと何が起きたのかを、順番に説明できるかどうかだけです。

たとえばSNSで、同じテーマの投稿でも画像の見せ方を変えて反応を比べてみる。反応が落ちたら「画像より投稿内容の影響が大きいのでは」と次の仮説を立てる。この往復が残っていれば、面接では「数字を見ながら改善した経験」として話せます。

記録はノートでもスプレッドシートでも構いませんが、日付と、変える前の数字と、変えた理由だけは残しておいてください。あとから思い出そうとすると、結果しか覚えていないことがほとんどです。「なぜそう変えようと思ったのか」が抜け落ちると、面接では「たまたま伸びた話」にしかなりません。

面接で出すときは、1件を深く話すほうが伝わります。5件並べても、どれも「変えたら少し動きました」で終わってしまうからです。うまくいかなかった1件でも構いません。むしろ、狙いが外れた理由まで説明できるほうが、数字を見て考えた人だと分かってもらえます。

大きなサイトを作らなくても始められます。いま持っているものを使って、小さく試して記録に残すところからで十分です📊

未経験の職務経歴書に書くことがない人へ

何をどこまで学べば、応募まで進めるのか

調べ始めると、知らない言葉が次々に出てきます。SEO、リスティング広告、コンバージョン、CTR、CRM。覚えたほうがよさそうな言葉が並んでいるのを見ると、全部やるのかと思って気が重くなりますよね。

ここで勉強を続けてしまうと、応募するタイミングを逃します。知識が増えるほど「まだ足りない」と感じるようになるからです。あとで読もうと思ったブックマークだけが、静かに増えていきます。

先に一つの領域を決めて、手を動かしながら分からない言葉を調べるほうが、勉強の方向は定まります。広告運用なら広告の基本と管理画面の見方、SEOなら検索意図と記事の構成、SNSなら投稿の企画と反応の見方。応募したい仕事に必要な範囲から触れていきます。

無料の学習サイトや動画で全体像をつかむのも役に立ちます。用語を暗記しなくても、「何を見て、何を変えるのか」の見当がつけば動き出せます。そこまで来れば十分です。

資格も同じです。知識の整理には役立ちますが、資格を持っていることと、数字を見て判断できることは別です。応募先が資格を条件にしていないなら、資格の勉強を長く続けるより、数字を見た記録を一つ作るほうが、面接で話せることは増えます。取るなら、学んだ内容を実際に手を動かした場面と結びつけておくと、知識だけで終わりません。

独学で進めにくいと感じるなら、スクールを使う手もあります。広告やアクセスの数字を見て「どこを疑うのか」を人と話しながら考える機会は、一人ではなかなか作れません。ただ、通えば採用されるわけでもないので、学んだ内容は自分が何を試したかという記録につなげておいてください🌿

実際の案件を扱いながら、職務経歴書に書ける経験を作りたい方へ

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※Wannabeアカデミーは、実際のクライアント案件を扱いながらWebマーケティングを学べるスクールです。 学習だけで終わらせず、応募のときに見せられる実務経験を作ることを目指しています。年齢の条件はありません。

何から始めるか迷うなら、応募したい求人を読む、そこに何度も出てくる仕事内容を確かめる、その仕事に必要な基礎を学ぶ、小さく実験する。この順番で考えると、やることが自然に絞れます。

デザイナーやエンジニアと迷っているなら

職種を決めようとして、Webマーケターだけを見ていると苦しくなります。デザインにも興味があるし、Web制作も気になる。それなのに、どれか一つに絞らないと転職活動を始められない気がしてしまいますよね。

ただ、この3つは思っているほど遠くありません。広告運用では、数字を見るだけでなく広告に使う画像やページの見せ方まで考える場面が出てきますし、Webデザインでも、見た目を整えるだけでなく、誰に何を伝えるページなのかを決めないと形になりません。エンジニア側も同じで、表示の速さや計測タグの設定は、そのままマーケティングの数字に返ってきます。

販売職をしていた人が、WebデザイナーとWebマーケターの両方を調べていたとします。商品をきれいに見せるPOPを作るのは好きだけれど、売上の数字を見ながら陳列を変えるのも好きだった。

「どちらかに決めないと、何も始められない気がします」

本人には中途半端に思えても、仕事の側から見れば、見せ方を考えた経験も、数字を見て動かした経験も、どちらもそのまま使えます。焦る気持ちはよく分かりますが、いまの段階で一つに固定しなくて大丈夫です🧭

職種名を先に決めるより、求人を開いて仕事内容を比べるほうが、自分に合う方向は見えてきます。デザインを作ることが楽しいのか、数字を追って改善することが楽しいのか。触ってみないと分からない部分は、どうしても残ります。

未経験からWebデザイナーへ 独学でどこまで行けるか

一人で考え込む時間が長くなってきたら、求人を扱っている人に聞いてしまうほうが早いです。

未経験転職におすすめのエージェント比較

よくある質問

未経験からWebマーケターになるのに、資格は必要ですか?

必須の資格はありません。求人側が資格を条件にしていないなら、資格を取ること自体を目標にせず、応募したい領域の基礎を学んで、数字を見ながら改善した記録を作るほうが、面接で話せる内容は増えます。ウェブ解析士やGoogle広告の認定資格などは知識の整理に使えますが、実際に数字を見て動かす練習の代わりにはなりません。

広告運用の経験がなくても、応募して大丈夫ですか?

応募できます。特に広告代理店では、入稿やレポート作成というように、新人が担当する範囲を切り分けています。もっとも、未経験を受け入れていない代理店もあるため、求人票で未経験可の条件は必ず確認してください。Excelなどの必須スキルが書かれていれば、そこは先に触っておくと入社後の仕事も想像しやすいです。

Webマーケティングのスクールは、行ったほうがいいですか?

独学で実験と記録まで進められるなら、必須ではありません。何を学べばいいのか分からない、数字を見ても改善点を思いつかない、といった状態が何か月も続いているなら、決まった順番で課題が出てくるカリキュラムや、書いたものを見てもらえる添削を使う意味はあります。通うこと自体を目的にせず、応募のときに見せられる知識と記録を増やすための場所だと考えてみてください。

ブログやSNSは、どのくらい続けてから応募すればいいですか?

期間だけで決めなくて構いません。何を変えたのか、なぜそうしたのか、数字がどう動いたのかを説明できる記録があれば、短い期間でも面接の材料になりますし、反対に長く続けていても、投稿しただけで結果を振り返っていなければ、改善した経験としては説明しにくくなります。

まとめ:「Webマーケター」ではなく、やりたい仕事を言葉にする

職種名だけを見ていると、広告、SEO、SNS、CRMという性質の違う4つが、一つの塊に見えてしまいます。未経験からの入口も同じではなく、代理店のアシスタントから入る道もあれば、文章やSNSの経験を隣の仕事につなげる道も開けています。

だから、「Webマーケターになりたい」だけで求人を探し続けなくていいんです。「広告の数字を動かす仕事がしたい」「検索から人を集める仕事をしたい」「SNSの反応を見ながら企画を考えたい」と、やりたい作業まで言葉を下ろしてみてください。

そこまで下ろすと、学ぶ内容も、作る記録も、探す求人も変わります。「Webマーケター」で検索していたときには一件も引っかからなかった求人が、「広告運用アシスタント」に変えた途端に並ぶ、ということも起きます。

気になった仕事内容の求人を開いて、自分の興味と重なるかを確かめてみる。名前ではなく、中身で選ぶ。そのほうが、未経験の一歩は決めやすくなります🕊️