退職日と入社日の決め方|有給消化と引き継ぎをどう収めるか
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結論から言うと、先に決めるのは退職日のほうで、入社日はそのあとに置きます。順番を逆にすると、有給も引き継ぎも入りきらなくなってしまうんです。
内定が出ると、ほぼ必ず聞かれます。いつから来られますか、と。
ここで早い日を答えてしまう人が多いのですが、その気持ちはよく分かります。長く待たせたら内定が流れるのではないかと思いますし、早く来られるほうが歓迎されるような気もするからです。
ただ、この一言で決まってしまうのが、有給を何日使えるか、引き継ぎにどれだけかけられるか、そして最後の1か月をどんな空気で過ごすかです。答えるのは1分ですが、影響は退職日まで続きます📆
この記事では、退職日を先に決めるための足し算と、入社日を聞かれたときの答え方を並べます。切り出し方そのものは別の記事に分けてあります。ここでは日程だけを扱います。
切り出す前の話ではなく、内定が出たあとの話
この記事が扱うのは、内定が出て日程を聞かれている段階です。上司にどう切り出すかという話は別に用意してありますし、まだ言えていない人はそちらから入ってもらうほうが順番として自然です。
順番としては、内定が出る、日程を決める、上司に切り出す、という並びです。切り出す前に日程の見通しを持っておくと、上司との話が一度で終わるので、何度も呼ばれて日程を詰め直す展開を避けられます。
日程で失敗する人に共通しているのが決める順番で、入社日を先に約束してから、そこに合わせて退職日を逆算しようとすると、たいてい足りなくなってしまいます。
足りなくなるのは、引き継ぎに要る日数と、残っている有給の日数を、事前に数えていないからです。数えてから答えれば、無理のない日を1回で出せますし、あとから訂正して相手の段取りを崩すこともありません。
見落としやすいのが、内定を承諾する書面に入社日が書かれている場合です。そこに署名してしまうと日付が固まってしまうので、承諾の前に一度だけ、希望の幅を伝えておいてください。
未経験の職種へ移る場合、ここはもう一段重い話です。入ってすぐに戦力として動けない前提があって、疲れた状態で初日を迎えると、立ち上がりがそのぶん遅れてしまうんです🧮
つまり、最後の出勤日から初日までのあいだに何日空けられるかも、日程の一部として数えたい部分です。有給をまとめて使うのは、休むためだけの話ではありません。
初日から数えて3か月は、覚えることだけで手一杯です。その時期に体力を残しておけるかどうかが日程の作り方で決まってしまうので、休みの日数は前の会社の話ではなく、次の会社のための話として数えてください。
なお、ここまで来る前の段階、つまり働きながら面接の時間を作るところは別にまとめました。
退職日は、3つの足し算で決まる
退職日は、感覚で決めるものではなく、3つを足して出します。
- 就業規則の退職の項を読む申し出の時期と手続きの定めを、自分の会社の規則で確認します。
- 有給の残り日数を調べる給与明細か勤怠のシステムに載っています。分からなければ総務に聞きます。
- 引き継ぎに要る日数を見積もる担当している仕事を書き出して、引き継ぐ相手の予定も入れて数えます。
- 3つを足して、2つの日付を分けて置く有給を使い切る場合、最後の出勤日と退職日は別の日になります。
ステップ1は、自分の会社の規則を見てください。申し出の時期については、法律の定めと会社の規則で扱いが違う場合があるうえ、書き方も会社ごとにばらばらなので、何日前までという数字はここでは出しません。
規則が手元にない場合は、総務に聞けば教えてもらえます。制度を確認したいと言えば、辞めるつもりだと悟られずに済みます。
規則そのものが整っていない会社もあります。その場合は、過去に辞めた人がどれくらい前に申し出ていたかを思い出すと、実際の運用が見えてきます。
ステップ2の有給は思っているより残っていることが多く、前の年から繰り越したぶんが乗っている場合もありますから、記憶で済ませず、給与明細に出ている数字で確かめてほしいです。
ステップ3が、もっとも見落とされます。引き継ぎに要る日数は自分の作業量だけでは決まらなくて、引き継ぐ相手がいつ空いているかにも左右されるため、相手の繁忙期とぶつかると倍くらいかかります。
見積もり方は単純で、自分がいま持っている仕事を紙に全部書き出して、それぞれに何回説明が要るかを横に書くだけです。1回で済むものと、月に一度しか起きないので実際にやってみせるまで1か月かかるもの。この2つを分けると、必要な日数がだいたい見えてきます。
後任がまだ決まっていない段階でも、日数は出せます。誰か特定の人ではなく、その仕事をまったく知らない人が相手だと置いて数えれば、いちばん厚い見積もりが出るからです。
あとから後任が決まって、その人がすでに近い仕事をしていたなら、そこで日数を縮めれば済みます。逆の順番で組むと、決まった瞬間に日程が足りなくなります。
何をどこまで書けば終わるのかは、資料の作り方のほうに置きました。
有給は付与の日を越えると日数が増える場合があり、付与日が近いなら、そこを越えてから退職日を置くだけで使える日数が変わります。付与日もあわせて見ておくと取りこぼしません。
ステップ4で分けてほしいのが、最後の出勤日と退職日です。有給をまとめて使う場合、たとえば最後の出勤日が20日で、そこから有給を並べて月末が退職日、という置き方をします。
この2つを混ぜたまま話すと、上司との会話がずれます。何日まで出勤するのかと、何日付で在籍が終わるのかは、別々に伝えてください🪧
全体の日数感を先に把握しておきたい場合は、準備期間の記事のほうに流れごとの目安を置いてあるので、そちらもあわせて見ておくと組みやすくなります。
有給が残っていても、全部並べられるとは限らない
有給の日数が20日残っていたとして、その20日をまとめて最後に並べられるかというと、そこから先は会社との話です。
制度としては、時期をずらしてもらえないかと会社の側から申し出る仕組みがあるので、希望した日程がそのまま通るとは限りません。細かい扱いは就業規則に書かれているので、確かめる先は自分の勤務先の規則です。
どこまで通るかは、引き継ぎの進み具合でほぼ決まります。終わっていれば反対する理由が減るので、有給を並べたい人ほど前倒しで終わらせたほうが得をします。
有給に入ったあとも電話やメッセージは来ますし、完全に切りたい気持ちは分かりますが、引き継ぎ資料の置き場所だけは伝えておくと、休みの最中に呼び出される回数が減ります。
私物の持ち帰りと、貸与されているものの返却も、最後の出勤日までに寄せておくのが無難です。有給に入ってから制服や社員証を返しに行くことになると、そのために一度出社する日が増えます。
残った有給を買い取ってもらえるかどうかも、会社によって扱いが違います。買い取りの定めがある会社もあれば、まったくない会社もあり、期待を前提に日程を組まないほうが安全です⏱
ここで無理をすると、あとから効いてきます。有給をあきらめて早く入社したものの、疲れが抜けないまま初日を迎えて、最初の1か月が必要以上にきつくなる。この形の後悔は、あとから取り返すのが難しい部類に入ります。
取り返せる後悔とそうでない後悔を分ける考え方は、後悔の記事のほうにあります。迷ったときの手がかりになります。
未経験転職で後悔する人の共通点 取り返せる後悔と、そうでない後悔
有給を1日も使わずに辞めるのは、もったいないというより、もらえるはずのものを置いていく形です。金額に換算すると、20日ぶんはひと月ぶんの給与に近い規模です。
そこまで取れなくても、5日でも3日でも構いません。丸ごと休める日が数日あるだけで、初日の状態はずいぶん違ってきます。
有給に入ってからの数日を、次の仕事の下調べに使う人もいます。未経験の職種へ入るなら、業界の言葉を先に眺めておくだけで初週の会話がだいぶ楽になるので、休むのと並行して少しだけ手を動かしておくのも悪くありません。
入社日を聞かれたときの答え方
いつから来られますかと聞かれて、その場で日付を言い切る必要はありません。ここで使えるのが、幅を持たせた答え方です。
| 答え方 | そのあと何が起きるか | どう直すか |
|---|---|---|
| 最短で来月1日から行けます | 有給も引き継ぎも入らない。最後の1か月が険しくなる | 日数を数える前に日付を出さない |
| 会社と相談してから連絡します | 相手に予定が立たず、熱意を疑われることもある | 期限を添えて、いつまでに連絡するかを言う |
| 早ければ来月中旬、遅くとも翌月の頭までには入れます | 幅の中で相手が組める。確定の連絡も待ってもらえる | 引き継ぎの見積もりが終わってから幅を出す |
| 有給を全部使ってからにします | 理由が休みの話に聞こえてしまう | 引き継ぎを終えてから入りたい、と順番の話にする |
3行目が使いやすい形です。幅で答えておいて、就業規則と有給と引き継ぎの3つを数え終わってから確定を伝えれば、相手の段取りも崩れません。
幅は2週間ほど持たせておけば十分です。
確定を伝えるのは、上司と日程を合意した直後がいちばん収まります。退職日が固まる前に確定を出すと、あとで動いたときに訂正の連絡を入れることになり、順番としてはこちらが先です。
会社と相談してから、という答え方は期限を添えるだけで印象が変わる例で、今週中にご連絡しますと言えば待ってもらえますが、相談してからだけで止めると、話が浮いたままになってしまいます。
有給を全部使ってから、という答え方は、言っている内容が同じでも受け取り方が変わる例です。有給を使いたいと言うと休みたい人に見えますが、引き継ぎを終えてから入りたいと言えば、仕事を置いていかない人に見えます。
求人票の段階で入社日について書かれている場合もあり、急募と書かれているものや、入社日が固定されているものは幅で答える余地が小さいので、応募する前に見ておくと楽です。
もう一つ。内定を承諾する前に、入社日の希望は必ず一度伝えてください。承諾したあとに日程を動かすのは、承諾前に幅を伝えておくよりずっと難しくなります🛫
承諾そのものに期限が付いている場合もあり、1週間ほどで返事をと言われたなら、3つの足し算をその期間で終わらせる必要があるので、内定の連絡が来た日のうちに就業規則と有給の日数だけは調べてしまうのが安全です。
期限に間に合わないと感じたなら、黙って遅れるより先に言うほうが通りやすいです。社内の確認に数日ほしいと伝えれば、待ってもらえることも多いです。
日程が詰まったときに、どこを動かすか
3つを足してみたら、希望していた入社日に入らない。これはよくあることです。
焦りは、まず日程に出ます。全部を縮めて収めた日程は最後の週に無理が来ますから、どこか1つを大きく動かして残りを守るほうが、結果として穏やかに終われます。
動かせる順番が決まっています。上から順に見ていきます。最初に動かすのは有給で、次に入社日、最後が引き継ぎです。
有給から動かすのは、こちらの裁量でどうにでもなるからです。20日を10日にしても、誰にも迷惑がかかりません。
入社日は、相談すれば動く場合も多いです。未経験で入る枠なら、1週間や2週間の差で採用そのものが流れることは少ないので、事情を添えて相談する価値は十分にあります。
引き継ぎを削るのは、いちばん最後です。ここを削ると、辞めたあとに連絡が来ますし、前の職場に残る印象も良くありません。
書面を出すタイミングも、日程が固まってからにしてください。退職届に日付を書いて先に提出すると、そのあとで有給の話をしても動かしにくくなるため、口頭で日程を合意したあとに書面、という順番が落ち着きます。
合意した日程は、その日のうちに文字にして残しておくと安心です。最後の出勤日と退職日の2つを書いてメールかチャットで送っておけば、あとで言った言わないになりません。
前の職場との関係は、思っているより長く続きます。取引先が重なることもありますし、数年後に同じ業界へ戻る可能性もゼロではないので、最後の数週間を雑にしないほうが得をします📇
どうしても入りきらないなら、退職日を1か月後ろにずらすのが正解です。焦って全部を縮めるより、ひと月遅らせて全部を収めたほうが、あとの3か月が楽に進みます。
退職日をずらすと、次の会社に入る日も動きます。その場合、最後の出勤日から初日までに無給の空白が出ることがあるので、保険や年金の切り替えが必要かどうかを、いまの会社の総務と次の会社の両方に確認しておいてください。
空白が数日なら手続きだけで済むことが多いのですが、月をまたぐと扱いが変わる場合があります。ここは制度の細かい話になりますから、自分の状況を伝えて聞くのが確実です。
日程の詰め方まで含めて相談相手が欲しい場合は、研修を挟んでから求人を紹介する形のところもあります。未経験や職歴の少なさを前提に、仕事の探し方から一緒に組み立てるやり方なので、日程だけでなく段取り全体を見てもらえますし、年齢の上限は決まっていません。
段取りごと、誰かと一緒に組み立てたい方へ
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研修から入る形が自分に合うかどうかは、他のやり方と並べると見えてきます。
よくある質問
退職日は月末にしたほうがいいですか?
社会保険の扱いが月の区切りで変わるので、月末とその前日では在籍の数え方が違ってきます。ただ、どちらが得かは加入している制度や次の会社の入社日との組み合わせで変わるため、ここで一般化はできません。月末付けにするか、その前日にするかで迷ったら、総務に聞くのがいちばん早いです。次の会社の入社日も伝えれば、空白が出ない形を教えてもらえます。
有給を使わせてもらえない場合はどうしますか?
まず、引き継ぎがどこまで終わっているかの確認が先です。終わっていない状態で有給を並べると反対されやすいので、前倒しで終わらせるのが先です。そのうえで通らない場合は、全部ではなく日数を分けて申し出る形が現実的です。残りの扱いについては、買い取りの定めがあるかどうかも就業規則で見ておけます。
退職日を決めたあとに、入社日をずらしてほしいと言われました。
理由を聞いてから判断してください。受け入れ側の体制がまだ整っていないという話なら、そのあいだ無給の空白が生まれるので、そこを踏まえて相談する必要があります。退職日はすでに会社と約束したものなので、簡単には戻せません。空白が長くなる場合は、その期間の扱いをどう考えているかも確認しておいたほうが安心です。
最後の出勤日と退職日は、分けて伝えるべきですか?
分けてください。出勤するのが何日までか、在籍が終わるのが何日付か。この2つを混ぜたまま話すと、引き継ぎの段取りがずれます。書面で提出するときも、退職日の欄に書くのは在籍の最終日なので、最後の出勤日とは別の日付になる場合があります。
まとめ:入社日を答える前に、退職日を置く
内定の連絡で日程を聞かれたその場で、日付を言い切らないでください。1分の返答が、有給も引き継ぎも最後の1か月の空気まで決めます。
退職日は3つの足し算で出します。就業規則の定め、有給の残り、引き継ぎに要る日数。数えてから答えれば、無理のない日が1回で出ます。
有給は、残っていても全部並べられるとは限りません。引き継ぎを前倒しで終わらせておくほど、希望が通りやすくなっていきます。
入社日は幅で答えるのが安全です。早ければ来月中旬、遅くとも翌月の頭まで、と幅で言っておけば、相手も組めますし確定も待ってもらえます。
順番を1つ変えるだけで、最後の1か月の重さが変わってきます。入社日を答える前に、退職日を先に置いてください。