40代の未経験転職|受かるかを心配する側から、選ぶ側へ

公開日:2026-09-21 / 更新日:2026-09-21 / 執筆:キャリアのナナメ相談所 編集部

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。広告表記について

「この年で、未経験から入れる会社なんてあるんだろうか」。求人サイトを開いて、年齢の欄を入れたところで手が止まる。そんな夜があります。

出てきた求人を眺めていると、書いてあるのは経験者の募集ばかりに見えてきます。未経験歓迎と書かれているものは若い人向けに見えるし、応募したところで書類で終わる気がする。そう思って閉じた日が、何度かあったかもしれません。

ただ、40代の未経験は、20代の未経験とは中身が違います。同じ言葉でまとめられているだけで、持っているものも、聞かれることも別物です。未経験なのは職種の専門知識だけで、人に教えた経験や、自分で決めて進めた経験は、そのまま持ち越せます。

この記事では、40代が持ち越せるものを分けるところから始めて、面接で必ず確認される年下の上司への答え方、年収の決め方、そして条件を先に決める進め方までを整理します。

40代の未経験は、20代の未経験と別のものです

同じ言葉でまとめられていても中身はかなり違ってくるので、まず、どこが違うのかを並べておきます。

20代が採られるときに見られているのは、これから伸びるかどうかです。いまできることより、教えたら覚えるか、長く続けてくれるかのほうが先に立つので、入ったあとの数年は教わる側に回ることが前提になっています🪞

40代に対しては、その見方をしません。教えて育てるための年数が短いので、入ってすぐ何ができるかを見られますし、同時に、チームの中でどう振る舞う人なのかも確認されるところが、20代との決定的な違いになります。

一見すると不利に思えますが、裏返すと、いまできることを持っている人は評価されるということでもあって、20代には評価されようのない持ち物が、40代にはあるんです。

もう一つ違うのが、求人がどこにあるかです。20代向けの未経験求人は大きな媒体の目立つところに並びますが、40代を受け入れる枠は、そこにはあまり出てきません。人手が足りていない中小の会社や、欠員の補充で急に出る募集のほうに多く、掲載されている期間も短いので、探し方を変えないと目に入らないまま消えていきます。

週に1回まとめて見るより、少しずつでも毎日開くほうが当たります。40代を受け入れる求人は出てから応募が集まるまでが早いので、見つけた日のうちに出すくらいでちょうどいいはずです。

扱う範囲を、ここではっきりさせておきたいと思います。何歳まで未経験で動けるのかという全年代の話は別の記事にまとめてあるので、この記事はその中から40代だけを取り出して、深いところまで掘ります。

30代の職種選びについても、専用の記事があります。隣の職種から見る、橋渡しになる一職を挟む。そうした選び方はあちらに書いてあるので、ここでは繰り返しません。この記事で扱うのは、職種の選び方ではなく、40代にしかない持ち物と、40代だけに来る質問のほうです。

それと、いまの職場を辞めてから探すかどうかも、20代とは条件が変わってきます。40代は決まるまでの期間が読みにくいうえ、毎月の支出も大きいことが多いので、在職のまま進めるほうが条件を妥協せずに済みます。辞めてから探すなら、生活費が何か月分あるかを先に数えておく話になります。

それから、年齢だけを理由に応募をためらわないでください。応募資格に年齢が書かれていない求人であれば出すこと自体は誰にでもできますし、落ちるかどうかは出してみないと分かりません。出していない求人が通ることはないんです。

持ち越せるのは、職種ではなく人を動かした経験

応募書類を書こうとして手が止まるのは、たいてい書き出しの1行目です。未経験の職種に何を書けばいいのか分からないまま、前の会社の業務内容を並べて終わってしまいます。

分け方を変えてみてください。自分が持っているものを、職種の中身と、職種をまたいで通用するものの2つに分けます。

40代が持っていることが多いもの未経験の職種でも理由
人に教えた経験、後輩や部下を見た経験持ち越せる職種が変わっても、教える側の動き方は同じ
判断を任された経験。自分で決めて進めた持ち越せる指示を待つだけの人ではないという説明になる
社外の相手とやりとりした経験持ち越せる取引先や顧客との調整は、どの職種でも出てくる
その職種の専門知識持ち越せないここは20代と同じところから始まる

4行目だけが未経験で、上の3行については経験者の側にいます。ところが多くの人は4行目の欠けているところばかり見てしまうので、書類の冒頭が「未経験ですが」から始まってしまうんです。

書き出しは上の3行から始めてください。何人を何年見てきたか、どこまでの判断を任されていたか、社外の誰とどんなやりとりをしていたか。この3つは、どの職種の求人に出しても読まれます🧰

具体的に書くほど効きます。「後輩を指導していました」ではなく、「新しく入った5人に、3か月かけて手順を教えて独り立ちまで見ていました」と書けば、教える側として何をしていたかが伝わります。

社外とのやりとりも同じで、「取引先を担当していました」では中身が見えません。何社を担当して、どういう場面で相手と話していたのかまで書いてください。納期が遅れそうなときに先に連絡を入れていた、条件の見直しを自分の判断で持ちかけていた。こうした具体が入ると、社内でどう動く人なのかを想像してもらえます。

判断を任された経験については、決めた内容よりも、決める前に何を確認していたかを書くほうが伝わるはずです。上に相談する線引きをどこに置いていたか、決めたあとにどう共有していたか。未経験の職種でも、この動き方はそのまま持ち込めるものだからです。

前職の経験をどう組み替えるかについては、掛け算の考え方をまとめた記事があるので、手が止まったらそちらから始めてください。

未経験でも今までの経験は掛け算できる

逆に、書かなくていいものもあって、役職の名前だけを並べること、在籍した年数だけを強調すること。どちらも中身が入っていないので読む側には何も残りませんから、肩書きより、その立場で何をしていたかのほうを書いてください。

年下の上司に、どう答えるか

面接で必ず確認される話があって、しかも、たいていは遠回しに聞かれます。

「チームは若いメンバーが中心ですが、大丈夫でしょうか」「入社すると、30代の社員が指導役になりますが」。この言い方で来たら、確認されているのは能力ではありません。年下から指示を受けられるかどうかです🗣

採用する側がここを気にするのは、実際に困った経験があるからです。前の職場での立場を持ち込まれると、教える側の若い社員が指示を出しにくくなり、現場が回らなくなってしまいます。

ここで「問題ありません」とだけ答えると、確認したことになりません。誰でもそう答えるので、相手の不安はそのまま残ってしまいます。必要なのは、場面を1つ出すことです。

前の職場でも、システムの入れ替えのときは20代の担当者に一から教わりました。こちらが年上だと相手が遠慮してしまうので、分からないところは自分から聞きにいくようにしていました。教える側に回るか教わる側に回るかは、その場で誰が詳しいかで決まると思っています。入社後は当然、教わる側から始めます

この答え方には、抵抗がないという宣言が入っていません。代わりに、実際にそうしていた場面が入っているので、相手はそれを判断の材料にできます。言葉ではなく事実だからです。

正直に言うと、抵抗がまったくない人のほうが少ないはずです。それ自体は自然なことなので無理に消す必要はありませんが、面接で確認される以上、そこに答えを用意しておいたほうがいいというだけの話です。

年代ごとに何を見られるかの全体像は、別の記事で整理しています。40代以外の年代も知っておくと、比べられている相手が見えてくるはずです。

未経験転職は何歳までか 年代別の対策

面接で自分から先に触れてしまう手もあります。聞かれる前に「年下の方に教わる形になると思いますので、そのつもりでいます」と一言添えておけば、相手は確認する手間が省けますし、こちらから言っている時点で構えがないことも伝わります。

ただし、へりくだりすぎないでください。「何でもやります」「雑用でも構いません」と言いすぎると、逆に何ができる人なのか分からなくなってしまいます。教わる側から始めるという姿勢と、持ち越せる経験の話は、両方あって釣り合います。

入社後の最初の3か月で決まる部分もあって、それは分からないことを年下の社員に聞けるかどうかです。ここで遠慮して自己流で進めると、あとから直す手間が増えて、教える側の負担も大きくなってしまいます。

下げ幅ではなく、生活が回るかで決める

お金の話を後回しにすると、受かったあとで困ります。とくに40代は、ここを先に詰めておいてください。

未経験で入る以上、前職より年収が下がることは珍しくありませんが、問題は下がること自体ではなく、下がったあとで暮らしが成り立つかどうかを確認しないまま決めてしまうところにあります。

20代なら、下がっても取り返す年数が残っています。ですが40代は取り返す期間が短いので同じ考え方では間に合わず、見るのは下げ幅の大きさではなく、その金額で毎月が回るかどうかのほうになります🏠

計算そのものは単純で、家賃や住宅ローン、光熱費、通信費、保険、学費、返済。毎月必ず出ていく額を足して手取りがそれを上回るかを見たうえで、上回らないならその求人は条件が合っていないので、志望度が高くても外してください。

退職金と企業年金の扱いも見ておく価値があります。前の会社に制度があった場合、転職によって将来受け取る額が変わりますし、転職先に制度がないこともあるので、毎月の手取りだけを見て決めると、ここが抜け落ちたまま進んでしまいます。

家族がいる場合は、数字を出して話しておくほうが早いです。下がる見込みの金額と毎月必要な金額を並べて見せるほうが、感覚で話すより早く片がつきますし、後から知らされるほうが、金額そのものより関係に響いてしまいます。

見落としやすいのが、賞与の扱いです。前職で賞与が年2回あった場合、月給が同じでも年収では大きく変わりますし、未経験で入る初年度は賞与が出ない、あるいは減額される会社もあります。求人票の年収欄と、初年度の扱いは両方見ておきます。

年収がどのくらい動くのかという相場感については、専用の記事があるので、そちらと合わせて見てください。

未経験転職で年収はどれくらい下がるのか

下がった状態から戻せる会社かどうかも、あわせて見ておく価値があります。等級が上がる条件が決まっているか、資格手当があるか。この2つがある会社なら、入ったあとに動かせる余地が残ります🔧

条件を先に決めてから、求人を見る

ここまでの3つが揃ったら、探し方のほうを変えます。20代と同じ順番で進めると、40代は間に合いません。

20代の進め方は、まず受かることを優先して、条件はあとから考えるというものです。それでも取り返せるからですが、40代が同じことをすると、入ったあとで暮らしが成り立たなくなります。

そこで順番を逆にして、毎月必要な金額、通える範囲、働ける時間帯の3つを先に紙に書いてから、そこに入る求人だけを開いてください。これは妥協ではなく、選ぶ側に回るということです。

働きやすい会社がいい
→
残業の実績が月20時間以内、年間休日120日以上
自分の経験を活かしたい
→
人を教えた経験が歓迎欄に書かれている求人
長く働ける会社がいい
→
未経験の入社実績があり、等級や昇給の条件が明記されている
年収は下げすぎたくない
→
毎月必ず出ていく額に対して、手取りが上回る金額

矢印の左にある言葉のままだと、求人を絞れません。右の形にすると求人票のどこを見ればいいかが決まるので、開いてから2分で判断できるようになります。

ここで手が止まる場合もあるはずです。そもそも何がしたいのか、この先どう働きたいのかが決まっていない、という段階です。40代になると、いまの仕事を続けるのか変えるのか、その判断自体が重くなってくるからです。

そういうときに、キャリアコーチングという場があって、求人を紹介してもらうサービスではなく、これまでの働き方とこれからの希望を、人と話しながら整理していく形になっています。30代から40代を対象にしているので、この年代特有の悩みを前提に話ができますし、無料の面談から始められます🌅

この先どう働くかから整理したい、30〜40代の方へ

ZaPASSコーチングキャリアの無料面談を申し込む

※ZaPASSコーチングキャリアは転職エージェントではなくキャリアコーチングで、求人の紹介は行っていません。 対象は30〜40代、無料の面談から始められます。転職するかどうかを決めていない段階でも申し込めます。

職種をどう選ぶかで迷っている場合は、30代向けにまとめた記事の考え方がそのまま使えます。

30代の未経験転職 職種選びで結果が変わる

求人の紹介を受けながら進めたいなら、40代を扱っているかどうかを先に確かめてください。そこはサービスによってはっきり分かれます。

未経験転職におすすめのエージェント比較

よくある質問

40代で未経験の求人に応募しても、書類で落とされるだけではないですか?

応募資格に年齢が書かれていない求人なら、出すこと自体はできます。ただ、職種の専門知識だけで勝負すると、経験者と並べられたときに不利になってしまいます。書類の冒頭を「未経験ですが」から始めるのではなく、人を教えた経験や判断を任された経験から書き始めてください。その3つは40代のほうが持っているので、同じ求人でも読まれ方が変わります。

管理職の経験があると、かえって敬遠されませんか?

肩書きをそのまま出すと、扱いにくい人だと思われる場合はあります。ですが敬遠されているのは管理職の経験そのものではなく、前の立場を持ち込みそうな印象のほうです。役職名を並べるのではなく、何人を見て、どこまでの判断をしていたかを書いてください。そのうえで、入社後は教わる側から始めると口に出せば、心配されている部分が消えます。

年収はどのくらい下がると考えておけばいいですか?

下げ幅の相場を先に決めないでください。決めるのは、毎月必ず出ていく額を手取りが上回るかどうかです。家賃や住宅ローン、光熱費、保険、学費、返済を足して、その金額を下限にします。求人票の年収欄を見るときは、初年度の賞与の扱いも確認してください。前職に賞与があった場合、月給が同じでも年間では差が出ます。

資格を取ってから応募したほうがいいですか?

応募資格の必須欄に書かれている資格なら、先に取る意味もあるでしょう。そうでない場合は、応募と並行して進めてください。40代は取り返す年数が短いので、資格の勉強に半年使うと、そのあいだ選考が1件も進みません。資格より、人を教えた経験や判断を任された経験を書けるようにするほうが、同じ半年でも結果が出ます。

まとめ:受かるかを心配する側から、選ぶ側へ

同じ未経験という言葉でも、20代と40代では中身が違います。40代で足りないのは職種の専門知識だけで、人を教えた経験も、判断を任された経験も、社外とのやりとりも持ち越せます。

だから書類の冒頭を「未経験ですが」で始めないでください。何人を何年見てきたか、どこまで決めていたか。ここから書き始めると、読まれ方そのものが変わってきます。

面接では、年下の上司について必ず確認されます。一言で否定するのではなく、実際に年下から教わった場面を1つ出してください。事実のほうが伝わります。

年収は、下げ幅ではなく毎月の支出で決めます。必ず出ていく額を足して手取りがそれを上回らないなら、その求人は条件そのものが合っていないということです。

必要な金額、通える範囲、働ける時間帯。この3つが決まった時点で、もう受かるかどうかを心配する側ではありません。条件に合う会社を選ぶ側です。