未経験転職は何歳まで?年齢の壁のリアルと年代別の対策
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「35歳を過ぎたら転職は厳しい」——転職を考え始めると、必ずどこかで聞く話です。
ただ、実際に転職した人のデータを見ると、少し景色が違います。 dodaの調査によると、2024年に転職に成功した人の平均年齢は32.7歳。 しかも40歳以上が占める割合は、前回調査の14.9%から16.6%へと増えています。
とはいえ、20代と、それ以降の年代とで企業から見られるポイントが変わるのは事実です。年齢が上がると「やる気があります」だけではなく、これまでの仕事で身につけた経験を新しい仕事でどう活かせるのかまで説明する必要があります。
ただし、ここで注意したいのが「転職できる」と「どんな仕事でも未経験で転職できる」は別の話だということです。
この記事では、未経験転職に年齢の上限があるのかをデータで確認しながら、20代・30代・35歳以上で何を意識すればいいのかを、できるだけ現実的に整理します。
結論:未経験転職に「○歳まで」という絶対的な上限はない
「35歳まで」「30歳まで」といった一律の線引きは、ありません。
厚生労働省も、募集・採用における年齢制限は原則として禁止しています。企業は年齢だけを理由に応募を断ったり、書類選考や面接で採否を判断したりすることはできません。
一定の例外はありますが、「求人票が年齢不問なのは建前で、本当は年齢で落としている」という単純な話でもありません。
では、なぜ「年をとると未経験転職は厳しい」と言われるのか。
理由は年齢そのものというより、企業が未経験者に期待するものが年代によって変わるからです。
たとえば20代なら「これから仕事を覚えてもらおう」という採用がしやすい一方、年齢が上がると「これまでの経験をうちの仕事でどう活かせる?」という見方が強くなります。
つまり年齢が上がるほど、「未経験だから何もありません」ではなく、未経験でも持っている経験をどう転用できるかが重要になります。
年齢を重ねても、転職には成功している
「一定の年齢を過ぎたら転職市場ではもう遅い」——そんなイメージを持っている人もいると思います📊
でも、実際の転職成功者を見ると少し印象が変わります。
dodaが2024年に転職した人を調査したところ、転職成功者の平均年齢は32.7歳でした。年代別では「20代後半」が最も多く、「30代前半」がそれに続きます。
そして注目したいのが、40歳以上の割合が前回調査の14.9%から16.6%へ増えている点です。
調査でも、即戦力を求める企業でミドル層の採用ニーズが高まっていることが背景として挙げられています。
もちろんこの数字は「未経験転職の成功率」ではありません。dodaを利用して転職に成功した人の年代別割合なので、そのまま「特定の年代の未経験転職成功率」と考えるのはNGです。
ただ、「年齢を重ねたら転職そのものが難しい」という考え方が正しくないことは分かります。
年齢が上がるにつれて転職の方法を変える必要はありますが、年齢だけで転職を諦める必要はありません。
「年齢不問なのに落ちる」のはなぜ?
求人票には「年齢不問」と書かれているのに、応募すると書類選考に通らない。
そうなると「結局、年齢で落としてるんじゃないの?」と思ってしまいますよね。
ただ、ここは「年齢フィルターがある」と決めつけるより、年齢によって企業が見るポイントが変わると考えたほうが実態に近いです。
1. 若手とミドル層では企業の期待値が違う
たとえば25歳と35歳が、どちらも「未経験から営業職に挑戦したい」と応募したとします。
25歳なら、企業はこれから仕事を覚えてもらう前提で、次のような点を見ます。
- コミュニケーション力
- 素直さ
- 学習意欲
- 長く働いてくれそうか
一方で35歳なら、それに加えて次のような点も見られやすくなります。
- これまでどんな仕事をしてきたか
- 顧客対応の経験はあるか
- 数字を追った経験はあるか
- 周囲と協力して成果を出した経験はあるか
つまり「未経験だから何も評価されない」のではなく、未経験でもこれまでの経験をどう活かせるかが重要になるということです。
2. 年齢が上がるほど「なぜ今なのか」を聞かれやすい
未経験の仕事に応募すると、面接ではこんな質問が出てきます。
「なぜ今、この仕事に挑戦したいんですか?」
これは意地悪な質問ではありません。企業側からすれば、これまで別の仕事をしてきた人が、なぜ今になってキャリアを変えようとしているのかは気になります。
ここで「前から興味があったので」だけだと、少し弱いですよね。
それより、こう話せると転職理由とこれまでの経験がつながります。
前職で顧客対応をする中で、売ることよりも導入後のサポートにやりがいを感じるようになりました。これまでの顧客対応の経験を活かしながら、ITサービスの利用を支援する仕事に挑戦したいと考えています。
年齢が上がるほど、「なぜこの仕事なのか」まで説明できるかどうかが大切になります。 面接で聞かれることの全体像は未経験転職の面接でよく聞かれること10選にまとめています。
3. そもそも職種によって難易度がかなり違う
年齢より、こちらのほうが効いてきます⚠️
dodaの転職求人倍率を職種別に見ると、かなりの差があります。
出典:パーソルキャリア「doda転職求人倍率レポート」2026年6月時点。棒の長さは最も高いエンジニア(11.06倍)を100%として表示しています。
エンジニアと事務では、求人倍率に20倍以上の開きがあります。
つまり「年齢のせいで未経験転職が難しい」だけではありません。
年齢を重ねていて、未経験で、さらに求人の少ない人気職種を狙っているという組み合わせなら、難易度はかなり上がります。
逆に人手不足の職種や、これまでの経験を活かしやすい職種なら、年齢を重ねてからでも十分に狙えるケースがあります。 業界ごとの求人の出方は未経験でも年収アップは狙える?業界選びの話でも比べています。
年代別:未経験転職はどう戦えばいい?
年代によって、意識したいポイントは変わります🔍
20代前半
これから覚えてもらう前提で見られるため、経験の少なさが大きなマイナスになりにくい年代です。
この年代でやること準備に時間をかけすぎず、まず求人を見て応募してみる
20代後半
社会人経験が少しずつ評価材料になります。「未経験だからゼロ」ではなく、前職との接点を探せる段階です。
この年代でやること接客→営業、事務→ITサポートなど、経験のつながりを作る
30代前半
「これまでの経験をうちの仕事でどう活かせるか」が見られます。まだ選択肢は十分あります。
この年代でやること若さで勝負せず、経験を使って勝負する方向に切り替える
35歳以上
経験や実績をどう再現できるかが問われます。何でも挑戦するより、活かせる仕事を選ぶ段階です。
この年代でやること前職の経験が少しでも活きる職種に絞って探す
20代前半:まずは「やってみたい」を行動に変える
未経験転職では、比較的動きやすい年代です。
もちろん人気職種なら競争になりますが、これまでの経験が少ないこと自体が大きなマイナスになりにくいからです。
この年代なら、まずは興味のある仕事に応募してみることをおすすめします。
「資格を取ってから」「勉強してから」と準備に時間をかけすぎるより、求人を見て企業が何を求めているのか確認するほうが早いこともあります。
20代後半:「未経験」だけではなく経験を武器にする
25〜29歳になると、社会人経験が少しずつ評価材料になります。
たとえば、今までの仕事と次の仕事の接点はこんなふうに探せます。
「未経験だからゼロから始める」と考えるより、今までの経験を持って新しい職種に入ると考えると、選択肢がかなり広がります。
この考え方はスキルなし・資格なしでも転職できる?経験の掛け算を武器にする方法で詳しく紹介しています。
30代前半:「完全未経験」より経験のつながりを作る
少し戦い方を変えたい時期です。ゼロから挑戦できる仕事もありますが、「とにかくITエンジニアになりたい」より、「店舗運営でスタッフ管理をしてきたので、店舗向けシステムの導入支援に挑戦したい」と言えるほうが、採用後の活躍をイメージしてもらいやすくなります。
まだ選択肢は十分あります。ただし「若さで勝負する」のではなく「これまでの経験を使って勝負する」方向に切り替えることをおすすめします。
どの職種なら経験を持ち込めるかは、30代の未経験転職|職種選びで結果が変わるで、経験の転用しやすさと求人の多さの2軸から整理しています。
35歳以上:経験をどう活かすかを見せる
35歳を超えると「もう未経験転職は無理なのでは?」と考える人が増えますが、実際にはそうではありません。
先ほどのdodaの調査でも、40歳以上の転職成功者は前回より増えています。
ただし、ここからは「何でも未経験で挑戦する」というより、今までの経験が少しでも活かせる仕事を探すことをおすすめします。
たとえば、こういう組み合わせです。
飲食店の店長
×
店舗が抱える課題を知っている
▼
店舗向けSaaSの営業
接客業
×
顧客対応・関係構築の経験
▼
カスタマーサクセス
製造業
×
安全意識・工程管理の経験
▼
施工管理
営業
×
ヒアリング・目標達成の経験
▼
人材業界のキャリアアドバイザー
このように、職種を変えても、経験まで全部捨てる必要はありません。
40代で、住宅ローンを抱えたまま職種を変える場合の考え方をまとめたケースです。
「人生設計を考えるラストチャンス」
人間関係の疲弊とキャリアへの焦りを抱えていた42歳営業職が、これまでの経験を棚卸しし、コンサル業界への転身を決断するまでのモデルケースです。
※編集部が構成した架空のモデルケースです。実在の人物の体験談ではありません。
40代については、聞かれることも年収の決め方も20代とは別物になるので、そこだけを取り出して1本にまとめました。
「この年齢で、どんな仕事を狙えるのか」から相談できます
サクキャリマッチで無料相談してみる※サクキャリマッチは、転職すると決めていない段階から相談できる無料のサービスです。 自分の経験がどの仕事で評価されるのかを、キャリアのプロと一緒に整理できます。対象は20〜39歳、オンライン面談で全国対応です。
年代を問わず、やってはいけないこと
年齢を気にしている人ほど、次のような行動を取りがちです。
「まず資格を取ろう」と何か月も勉強する
資格が必要な仕事なら、取得するべきです。ただ、すべての未経験転職で必要になるわけではありません。
資格を取る前に、まず希望する求人を10件ほど見てみましょう。そこで「応募条件に資格がほとんど書かれていない」のであれば、資格取得より先に応募書類を作ったほうがいいかもしれません。
この判断の仕方は未経験転職に資格は必要?取るべきか、後回しでいいかの優先順位で詳しく整理しています。 「資格を取ってから応募しよう」と考えている方は、動き出す前にこちらを読んでみてください。
「未経験歓迎」だけを検索する
これも意外と落とし穴です。
「未経験歓迎」だけで探すと、仕事内容や給与、将来性よりも「未経験でも入れるか」だけで求人を選んでしまいます。
「未経験歓迎」+「自分の経験が活かせる」という探し方に変えてみてください。転職後のミスマッチも減らしやすくなります。
「年齢が理由で落ちた」と決めつける
書類選考に落ちると「やっぱり年齢のせいでダメなんだ」と思ってしまいますよね。
でも、落ちた理由は年齢とは限りません。応募条件とのズレ、職務経歴書の書き方、志望動機、応募企業との相性など、原因はいくつも考えられます。
むしろ「年齢だから仕方ない」と決めつけてしまうと、改善できるところまで見えなくなってしまいます。
書類が通らないと感じているなら、未経験の職務経歴書に書くことがない人へで書き方を見直してみるのも一つです。
書類が通らないなら「応募する求人」を変えてみる
未経験の応募で、何社出しても書類選考の結果が変わらないなら、応募数だけを増やす前に一度立ち止まってみてください。
たとえば「未経験ITエンジニア」だけに50社応募しているなら、これまでの経験とつながる求人まで広げられないか考えてみます。
- IT営業
- カスタマーサクセス
- ITサポート
- 社内SEのアシスタント
これは「やりたい仕事を諦める」という話ではありません。
最初の一歩を少し変えて、そこから希望する仕事に近づく方法もあるということです。
転職では、最初から100点の仕事に入ることだけが正解ではありません。
迷ったら「自分の年齢」ではなく「求人10件」を見てみよう
「もう年齢的に無理かもしれない」「35歳だから遅いかもしれない」と悩んでいるなら、まず求人を10件見てみてください。
見るポイントは3つです。
- 自分の年齢でも応募できる求人か
- 未経験でも応募できる求人か
- これまでの経験を活かせそうか
10件見てみると、自分が考えていたより求人がある場合もありますし、逆に「この職種は思った以上に競争が激しい」と分かることもあります。
この確認をしてから、資格を取るのか、応募書類を直すのか、狙う職種を少し変えるのかを決めればいいんです。
最初から正解を当てる必要はありません💡
転職エージェントを使うのも一つの方法
30代以降の未経験転職では、転職エージェントに相談してみるのも選択肢です。
自分だけで求人を探していると、「この求人、本当に自分でも応募していいのかな?」と迷うことがありますよね。
エージェントなら、これまでの経験や希望を伝えたうえで、応募先を相談できます。
ただし、エージェントを使えば必ず転職できるわけではありませんし、紹介される求人が自分の希望と合わないこともあります。
エージェントだけに任せるのではなく、自分でも求人を見ながら使うのがおすすめです。
未経験転職の場合は、総合型と未経験向けのサービスで扱う求人が違うこともあります。使い分けは 未経験転職におすすめのエージェント比較を参考にしてください。
よくある質問
未経験転職に年齢の上限はありますか?
「何歳まで」という一律の上限はありません。厚生労働省も募集・採用における年齢制限を原則として禁止しています。ただし年齢が上がるほど、企業が見るポイントは「これから覚えられるか」から「これまでの経験をどう活かせるか」に変わります。
35歳を過ぎたら未経験転職は無理ですか?
無理ではありません。dodaの調査では2024年の転職成功者の平均年齢は32.7歳で、40歳以上の割合も前回の14.9%から16.6%へ増えています。ただし「何でも未経験で挑戦する」より、前職の経験が少しでも活かせる仕事を選ぶほうが現実的です。
「年齢不問」の求人なのに落ちるのはなぜですか?
年齢で切られているとは限りません。応募条件とのズレ、職務経歴書の書き方、志望動機、企業との相性など原因はいくつも考えられます。「年齢だから仕方ない」と決めつけると、改善できる部分まで見えなくなってしまいます。
年齢のせいか書類が通りません。どうすればいいですか?
応募数を増やす前に、応募先の幅を見直してみてください。「未経験ITエンジニア」だけに絞っているなら、IT営業・カスタマーサクセス・ITサポートなど、これまでの経験とつながる求人まで広げられないか検討する価値があります。
まとめ:「何歳まで?」より「何を武器にする?」を考えよう
未経験転職に「35歳まで」「30歳まで」という絶対的な年齢制限があるわけではありません。
実際、dodaの2024年調査では転職成功者の平均年齢は32.7歳で、40歳以上の割合も前回より増えています。
一方で、年齢が上がるほど企業から見られるポイントは変わってきます。
- 20代なら、ポテンシャルや成長意欲
- 30代前半なら、これまでの経験を新しい仕事でどう活かせるか
- 35歳以上なら、経験や実績をどう再現できるか
この違いを理解しておくと、「年齢のせいで無理」と考える必要がなくなります。
そして今の転職市場を見ると、職種によって求人の多さにはかなり差があります。2026年6月時点で、エンジニア(IT・通信)が11.06倍だった一方、事務・アシスタントは0.53倍でした。
だからこそ「何歳まで未経験転職できますか?」という質問に対しては、「年齢だけで決めるのではなく、その年齢で、どの仕事を、どんな経験を武器に狙うかで考えましょう」と答えるのが一番現実的です。
もし今「もう遅いかな」と悩んでいるなら、まず求人を10件だけ見てみてください。
その10件を見れば、自分の経験がどこで使えそうなのか、逆に何が足りないのかが少し見えてきます。
転職は、考えているだけでは市場からの評価が分かりません。
「自分は何歳だから無理」ではなく、「今の自分なら、どんな求人に可能性がある?」
転職活動の進め方を最初から確認したい方は、未経験転職の完全ガイドが入口になります。
迷ったら、自分の年齢ではなく求人票の応募条件を見る。判断材料は、だいたいそこに書いてあります😊