大企業・中小・ベンチャー|未経験が入りやすいのはどこか
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求人サイトの絞り込みで、従業員数のところに手が止まる。1000人以上、100から999人、100人未満。どれを選べばいいのか分からないまま、全部にチェックを入れて検索を押す。
そうやって出てきた一覧を上から読んでいっても規模の違いがどう効くのかは書かれていないので、どこが入りやすいのか、入ったあとにどうなるのかが分からないまま、条件だけで選ぶことになります🏢
ここで先に分けておきたいものがあって、入りやすさと、入ってから育つかどうかは別の軸だということです。この2つを混ぜたまま規模を選ぶと、入れたけれど伸びないか、伸びる場所なのに入れないかのどちらかに落ちます。
この記事では、3つの規模を育て方の形で分けたうえで、入りやすさを決めているのは規模ではないという話と、規模ごとの落とし穴、そして3年後の見え方までを並べます。
入りやすさと、育つかは別の軸
未経験で応募するときに規模の話は2つの問いが混ざったまま語られがちで、どこなら受かるのかという問いと、どこなら育つのかという問いの2つです。
この2つは、答えが逆になることも多いんです。入りやすいところは教える形が固まっていない場合が多く、育つ形が決まっているところは入る枠が狭いからです🪜
だから最初に決めるのは、いまの自分がどちらを優先する段階にいるかという点です。まず入って経験を作りたいのか、時間がかかっても形の整ったところで覚えたいのか。
この判断は年齢と手元の時間で変わってきて、20代で時間がある人なら入りやすさを取って場数を作る選び方が通りますし、30代以降で1社目の選択をやり直しにくい人なら、育つ形を優先したほうが安全です。
年代ごとの職種の選び方は30代の記事に置いてあります。あわせて見ておくと決めやすいはずです。
それから、規模の話をするときに外しやすい前提があって、会社の規模と自分が配属される部署の規模は別だということです。
1000人の会社に入っても配属先が5人の部署なら日々の働き方は小さな会社に近くなりますし、逆に100人の会社でも自分の部署に同じ仕事をしている人が10人いるなら、教わる相手は複数います。
つまり見るべきなのは会社の人数ではなく配属先に何人いるかということで、これは求人票では分からないので、選考の中で聞くしかありません。
聞き方は簡単で、配属予定の部署は何名くらいですかと尋ねるだけです。答えが返ってこない会社は、配属そのものが決まっていない可能性があるので、それも一つの情報として受け取ってください。
勤務地の数も、規模とは別に見ておきたい部分です。拠点が全国にある会社なら転居を伴う異動が入る余地が残り、1か所しかない会社なら、そこが変わることはありません。
ここは入社後に自分では動かせない条件ですから、家の事情がある場合は、規模より先に確かめる項目になります。
3つの違いは、規模ではなく育て方の形
3つに分けて並べます。人数で分けているのではなく、未経験をどう扱うかの形で分けた並びです。従業員数の境目に意味があるわけではなく、あくまで目安です。
大企業
未経験の枠は狭いが、入れたら研修と手順がある
- 覚える順番を会社が用意してくれる
- 配属は会社が決めるので希望が通らないことがある
中小企業
未経験の枠が出やすく、教える人が物理的に近い
- 制度は整っていないが、手順は人が持っている
- その人が辞めると手順ごと消えることがある
ベンチャー
入りやすいが、自分で調べて進めることを求められる
- 伸びる幅は大きい
- 教わる形は期待できない
左の大企業は入るまでが関門で、未経験の枠そのものが少なく応募も集まるため、書類の段階で数を絞られます。
ただ、入れたあとの形は整っています。研修の期間が決まっていて、手順書があって、質問する先も決まっている。覚える順番を会社が用意してくれる形です🏭
この形は独学が苦手な人にとって大きな助けになって、何をどの順番で覚えるかを自分で決めなくていいので、最初の半年の迷いがそのまま減るからです。
弱点は配属で、会社が人員の計画で決めるため、希望した部署に行けないこともありますし、数年で別の部門へ動くこともあります。
真ん中の中小企業を、この記事ではもっとも現実的な入口として置いています。未経験の枠が出やすいうえに教える人が同じ部屋にいて、聞きたいときに聞ける形がそのまま残っているからです。
制度は整っていないことが多いのですが、そこを人が補っていて、手順書がなくても隣の人が知っているため、実際の立ち上がりは制度の有無だけでは決まりません。
ただし人に依存しているという弱点も同時に抱えていて、その人が辞めた瞬間に手順ごと消えることがあるので、中小に入る場合は自分でメモを残す習慣が効いてきます。
右のベンチャーは入りやすさで言えばもっとも広くて、人手が足りていないので未経験でも枠がありますし、決め方も早いことが多いです。
ただ、教わる形は期待できません。自分で調べて進めることが前提になっていて、そこを楽しめる人なら伸びますが、手順を教わりたい段階の人には重くなります🌱
3つのどれに当たるかは、会社のページからも見当がつきます。社員の紹介が並んでいて入社年が書かれているなら、人を育てる前提の会社です。
見分け方としては、これまでに独学で何かを覚えた経験があるかどうかです。手順書がなくても進めた経験があるなら向いていますし、教わって覚えたものばかりなら、いまはまだ早い段階です。
入りやすさを決めているのは、規模ではない
ここまで規模で分けてきましたが、実際に入りやすさを決めているのは別の要素で、その求人がなぜ出ているのかという理由のほうです。
募集の理由は、だいたい3つに分かれます。人が辞めた欠員の補充か、仕事が増えたことによる増員か、新しい部門を作るための採用かです。
未経験でもっとも通りやすいのは増員と新設で、欠員の補充では前の人と同じ仕事をすぐ回せる人が求められますが、増員なら育てる時間を見込んでいるからです🧱
求人票からある程度は読めます。急募と書かれていて業務内容が細かく決まっているものは欠員の補充が多く、複数名募集や新規事業と書かれているものは増員か新設の可能性が高いです。
掲載が長く続いている求人も、読み方があります。半年前から同じ内容が出ているなら、採れていないか、人の出入りが多いかのどちらかです。
どちらなのかは面接で聞けます。この募集はいつから出されていますか、と尋ねれば、そこから背景の話に入れます。
この見分けは、規模より効きます。1000人の会社の増員枠より、30人の会社の欠員補充のほうが通りにくい場合もあるからです。
募集の理由は面接で聞いて差し支えありませんし、今回の募集はどういう背景で出ていますかと尋ねれば、増員なのか補充なのかはたいてい答えてもらえます。
そこで新しい部門を作るという答えが返ってきたら、未経験にとっては、もっとも通りやすい枠です。全員が同時に覚えるところから始まり、経験の差がつきにくいからです。
もっとも、新設の枠には別の重さもあります。手順そのものがまだなく、教わって覚える段階の人には向きません。
通りやすさと入ってからの重さが、ここでも逆を向いています。だから募集の理由を聞いたあとに、自分がどちらを優先する段階かをもう一度当ててください。
求人票のどこを見るかという話は、研修の欄や勤務時間の欄まで含めて別にまとめました。
応募の数も、そのまま効いてきます。名前を知っている会社ほど応募が集まりますから、同じ条件でも通りにくいです。
だから、聞いたことのない会社を外さないほうがいいです。事業の内容を調べて筋が通っていて募集の理由が増員なら、そこが現実的な入口かもしれません。
規模ごとの落とし穴
3つとも、入ったあとに出てくる弱点を持っています。先に知っておけば、入社後に慌てずに済みます。
大企業で多いのが配属が希望と違う形で、総合職として採られた場合は職種そのものが会社の判断で決まるので、未経験からやりたかった仕事に届かないこともあります。
対策としては、選考の中で配属の決まり方を聞いてください。職種別の採用なのか、入ってから決まるのか。ここを確かめずに入ってしまうと、1年目から別の仕事をしている展開もあり得ます。
大企業ではもう一つ、社内の手続きが多いという面もあります。何をするにも確認の順番が決まっていて、慣れるまでは仕事そのものより段取りに時間を取られます。
これは制度が整っていることの裏側なので、良し悪しではありません。ただ、自分で決めて進めたい人には窮屈に感じられます。
中小企業の落とし穴は教える人が1人しかいない場合で、その人が忙しい時期に入ると、質問できない状態が数週間続いてしまいます。
だから中小を受けるときは、同じ仕事をしている人が何人いるかを聞くのが要点です。1人なら、その人が休んだ日に自分も止まるという意味です。
中小では、職種の境目もあいまいになりがちです。事務で入ったのに来客対応も電話も経理の一部も回ってくる、という並びは珍しくありません。
これは悪いことばかりではなく、幅が広がる面も持っています。とはいえ、事務の仕事として何を任されるのかは職種ごとに違うので、先に確かめておいてください。
ベンチャーの落とし穴は制度が後からできることで、評価の基準や昇給の仕組みが決まっていないところもあるので、入って1年目に給与がどう動くかが読めません。
ここは聞いて構いません。昇給の時期と、評価の仕組みがすでにあるかどうか。答えがない場合、それも含めて受け入れるかどうかの判断になります🔭
ベンチャーを受けるなら、会社の年数も見ておきたいところです。できて1年の会社と5年たった会社では、制度の有無だけでなく仕事の決まり方そのものが違ってきます。
3年後の見え方
最後に、入る前の期待と3年後の実際を並べておきます。ここが分かれ目になることが多い部分です。
入る前に思っていること
- 大企業なら安定して育てられる
- 中小なら何でも任されて早く育つ
- ベンチャーなら早く裁量が持てる
- どこでも3年いれば経験者になれる
3年後に実際そうなっていること
- 研修は整っていた。ただし配属が希望と違い、職種の経験は浅いまま3年たった
- 確かに幅は広がった。ただし専門と呼べるものが1つに絞れていない
- 裁量はあった。ただし教わる形がなく、身につけ方が自己流のまま残った
- 経験者として扱われる範囲は、担当していた工程の幅で決まっていた
4行目がいちばん見落とされる部分で、3年いれば経験者になるというのは正しいのですが、その経験が次の応募で通じる範囲は、任されていた工程の幅で決まってしまいます。
だから規模を選ぶときに見たいのは、任される範囲が広がる仕組みがあるかどうかです。大企業でも範囲が広がる部署はありますが、ベンチャーでも1つの作業に張り付くことになる場合も出てきます。
聞くとしたら、いまその仕事をしている人が3年目に何を任されているかです。その答えが自分の3年後にもっとも近く、会社の説明より確かです。
答えられない会社もありますが、3年目の人がそもそもいない場合は、その職種を最近始めた会社だという情報として受け取ってください。
表の3行はどれも悪い結末ではなく、どの規模を選んでも3年で何かは残るので、そこは心配しなくて構いません。
心配するとしたら、残ったものを自分で説明できるかどうかのほうです。3年たったときに何を任されていたかを言葉にできれば、規模に関係なく次の応募で通じるはずです。
残るものの形は、そこで違ってきます。手順を覚える力が残るのか、幅が残るのか、自分で進める力が残るのか。どれを取りたいかによって、選ぶ規模が変わってくるはずです。
そして、規模は1回きりの選択ではありません。中小で幅を作ってから大企業の職種別の枠へ移る人もいますし、その逆に動く人もいます。
いま選ぶのは3年ぶんの置き場所で、一生の所属を決める話ではないので、そこを重く考えすぎないでください。
内定が2つ出て規模で迷っている場合は、判断軸の並べ方を複数内定の記事に書きました。
規模から探すのが難しいと感じる場合は、求人の幅を持っているところに相談する手も残っています。20代に絞って支援しているところなら、大企業と中小とベンチャーで聞かれ方がどう変わるかまで踏み込んで見てもらえます。使えるのは20歳から29歳までです。
規模で迷ったまま、応募先を絞れていない20代の方へ
キャリアスタートに無料で相談する※キャリアスタートは20〜29歳が対象の無料のエージェントです。 学歴や正社員経験を問わずに相談できるので、応募先を絞る段階から使えます。
年齢が外れる場合や、先に職種から決めたい場合は、扱う職種の幅で選び直してください。
よくある質問
未経験なら、まず中小に入って経験を作るべきですか?
そういう選び方は現実的ですが、全員に当てはまるわけではありません。教える人が近いという利点は大きいのですが、その人が1人しかいない職場だと止まる日が出てきます。同じ仕事をしている人が何人いるかを聞いて、2人以上いる中小を選ぶのが安全です。大企業の未経験枠に手が届く経歴があるなら、そちらを先に受ける順番もあります。
ベンチャーは未経験でも入りやすいと聞きました。
入りやすい場合は多いです。ただ、入りやすさと育つかは別なので、そこを分けて考えてください。自分で調べて進めるのが苦にならない人なら、伸びる幅は大きいです。逆に、手順を教わってから動きたい段階なら、入れたあとに苦しくなります。受ける前に、入社後3か月で誰に確認しながら進めるのかを聞いてください。
大企業の未経験枠は、どうやって探せばいいですか?
職種別の採用と、第二新卒の枠を見てください。総合職の枠だと配属が読めませんが、職種を指定した募集なら、その仕事に就ける前提で入れます。第二新卒の枠は、社会人経験が数年ある人を育てる前提で作られているので、未経験でも通る場合があります。募集の時期が限られるので、見つけたら期限を先に確かめてください。
規模で年収はどれくらい変わりますか?
ここでは数字を出しません。規模と年収の関係を検証できるデータを手元に持っていないので、一般化して書くことができないからです。実務的には、応募先ごとの求人票に書かれている幅を並べるのがいちばん確かです。同じ職種で3社ぶん並べると、規模ではなく業界で差がついている場合も見えてきます。
まとめ:入りやすさと育つかを、別々に見る
未経験で規模を選ぶときに必要なのは、2つの問いを分けることです。どこなら受かるのか、と、どこなら育つのか。この2つは答えが逆になることがあります。
3つの違いは人数ではなく育て方の形です。大企業は枠が狭いが手順がある、中小は枠が出やすく教える人が近い、ベンチャーは入りやすいが自分で進める前提になっている。
入りやすさを決めているのは規模ではありません。その求人が欠員の補充か、増員か、新設かという募集の理由のほうです。
会社の人数より、配属先の人数を見てください。同じ仕事をしている人が何人いるかで、立ち上がりの速さが違ってきます。
どの規模を選んでも、3年で何かは手元に残ります。手順を覚える力か、幅か、自分で進める力か。どれを取りたいかを決めてから、規模のチェックを入れてください。