面接で「なぜ未経験でこの仕事を?」|3つの「なぜ」を分けて答える

公開日:2026-09-15 / 更新日:2026-09-15 / 執筆:キャリアのナナメ相談所 編集部

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。広告表記について

「なぜ未経験でこの仕事を選んだのですか」。そう聞かれて話し終えたあと、面接官の反応がいまひとつだった。答えられなかったわけではないのに、どこか噛み合わなかった気がする。

家に帰ってから、自分が何を話したか思い出してみます。前の職場が合わなかったこと、この業界に興味があること、御社の理念に共感したこと。たしかに全部話しました。それなのに、伝わった感じがしません。

原因は答えの質ではなく、量のほうです。この質問には「なぜ」が3つ入っていて、そのうち1つだけを聞かれているのに、3つ全部に答えてしまっている。だから長くなって、要点が消えます。

この記事では、3つの「なぜ」を分けるところから始めて、どれを聞かれているかの見分け方、「興味があります」が弱い理由、そして職種と会社それぞれの答えの作り方までを整理します。

この質問には「なぜ」が3つ入っている

一つの文なのに聞かれていることは3つに分かれているので、まずそこを割ってしまえば、自分が答える範囲は自然に決まってくれるんです。

なぜ前職を続けないのか
→
同じ理由でまた辞めないかを確かめたい
なぜこの職種なのか
→
仕事の中身を分かって選んでいるかを確かめたい
なぜこの会社なのか
→
どこでもいいと思っていないかを確かめたい

3つは、向いている方向がそれぞれ違います。1つ目は過去を見ていて、2つ目は仕事そのものを、3つ目は会社との相性を見ているので、同じ答えで3つをまとめて満たすことはできません。

それなのに、多くの人が3つ全部に答えようとします。「前職では成長を感じられず、この業界には将来性があり、御社の理念に共感しました」。文としては通っていますが、どれも一言で終わっているので、面接官の側はどこも確かめられていないまま次へ進むことになります。

1つに絞れば、そのぶん深く話せるんです。職種の「なぜ」を聞かれているなら、その仕事の中身をどこまで調べたかに時間を使えますし、会社の「なぜ」なら、その会社の求人票のどこに反応したかを話せます。

答えの長さも、そこで変わってくるはずです。3つ全部に答えると1分半を超えて、面接官はどこが要点なのか探しながら聞くことになりますが、1つに絞れば40秒ほどで収まって、そのあと向こうから次の「なぜ」を聞いてくれます。聞かれてから答えるほうが、会話として自然に流れます。

それに、3つを混ぜると矛盾が出やすくなるんです。「前職では成長できなかった」と言いながら「御社の理念に共感した」と続けると、理念に共感したのは会社のどこを見たからなのか、前職に成長がなかったことと何の関係があるのかが繋がりません。1つずつ答えれば、そもそも矛盾する余地が出ません。

大手の記事を読むと「きっかけを具体的に話しましょう」と書かれていますが、それは職種の「なぜ」の話です。会社の「なぜ」を聞かれているときに、きっかけを長く話しても噛み合いません。

1つ目の「なぜ前職を続けないのか」は退職理由そのものなので、そこは別の記事で詳しく扱いました。

退職理由の伝え方 嘘をつかずに変換する手順

ここから先は残りの2つ、職種と会社の「なぜ」を主に扱いますが、前職の話も、聞かれたときに短く出せる形にしておけば十分です🧩

質問の位置で、どの「なぜ」か分かる

3つに分かれていると分かっても、どれを聞かれているかは言葉だけでは判断できませんが、面接のどの段階で来たかを見れば、だいたい絞れます。

面接の前半で来たら、たいてい職種の「なぜ」です。まだ会社の話に入っていない段階なので、聞かれているのは「この仕事を分かって選んでいるか」のほうで、ここで会社の理念を語ると話がずれます。

志望動機を話したあとで来たら、会社の「なぜ」です。「御社を志望した理由は」と聞かれて答えたあと、もう一度「なぜ未経験でこの仕事を」と重ねられたなら、それは他社と何が違うのかを確かめています。

退職理由のあとで来たら、前職との違いを聞かれています。「なぜ辞めたのか」を話した直後にこの質問が来るのは逃げただけではないかを確かめたいからなので、「前職では無理だったが、この仕事なら続けられる」という形に持っていきます。

見分けがつかないときは、聞いてしまって構いません。「職種を選んだ理由と、御社を選んだ理由のどちらからお話ししましょうか」と確認すれば面接官は答えてくれますし、長く話してずれるより、そのほうがずっと早く済みます。

聞き返すのは失礼ではなく、むしろ相手が何を知りたいのかを確かめてから答える人だと受け取られます。営業でも事務でも、仕事の場面でやっていることと同じです。

もう一つ、面接官が2人以上いる場合も位置で読めます。人事の担当者が前半で聞いてきたら職種の話、配属先の責任者が後半で聞いてきたら、その部署で続けられるかを見ています。誰が聞いたかも手がかりになります。

それでも判断に迷ったら、職種の「なぜ」から話してください。3つのうちいちばん外れが少ないのがここで、もし会社の「なぜ」を聞かれていたとしても、そのあと「御社を選んだ理由は」と繋げられます👂

面接で来る質問全体の流れを先に知っておくと、位置の判断もしやすくなります。

未経験転職の面接でよく聞かれること10選

「興味がありました」が弱い理由

この質問への答えでいちばん多いのが、「昔からやってみたいと思っていました」という形です。嘘ではないのに、これだけだと弱く聞こえてしまいます。

弱いのは、確かめた形跡がないからです。興味は誰でも言えますし、面接官はその言葉を1日に何度も聞いているので、そこから先の「で、何をしたのか」がないと、興味のまま止まっている人に見えてしまいます。

型は3段です。きっかけ、自分で確かめたこと、だから応募した。この順番で並べていくと、話のほうが勝手に短くまとまってくれます。

前職の販売では、商品の問い合わせにメールで答える仕事を任されていました。文章で説明すると相手の理解が早いと感じることが多く、そこから事務の仕事に関心が向きました。実際にどういう業務があるのか知りたくて、事務職の求人を20件ほど読み、共通して書かれていた業務をノートに書き出しています。そのうえで、まず手を動かせるようにと簿記の3級を勉強して、先月受けてきました。御社の求人にも受発注の処理と問い合わせ対応が並んでいたので、応募いたしました

真ん中の「確かめたこと」が入るだけで、話は変わります。求人を20件読んだ、ノートに書き出した、簿記を受けた。どれも小さい行動ですが、興味が選択に変わったことを示す材料にはなっています。

確かめたことは、大きくなくて構いません。小さくていいんです。無料の講座を1つ終えた、その仕事をしている人に話を聞いた、本を1冊読んだ。何もない場合は、いまから1つやってから応募しても遅くないので、今週のうちに何か一つ動かしてみてください。

ここで気が引けるのは、「立派な理由がない自分は落ちる」という思い込みだと思います。ただ、面接官が探しているのは立派さではなく、入ったあとに続くかどうかです。「求人を20件読んだ」は立派ではありませんが、続く人の行動としては十分に伝わります。

やってはいけないのが、確かめたことを盛ることです。「独学で勉強しています」と言えば何をどこまで進めたのかを聞かれますし、答えられないと、興味だけの人より印象が悪くなってしまいます。実際にやった分だけを言えば、聞かれるほど具体的に話せます。

逆に、確かめた結果として「思っていたのと違った部分があった」と話せるなら、それも使えます。「調べる前は黙々と作業する仕事だと思っていましたが、他部署とのやり取りが多いと分かりました」。ずれを修正した話は、調べた形跡そのものになります📝

ちなみに、採用担当者が面接で重視する項目には「学習意欲」が26.3%で入っています。意欲そのものは言葉では測れないので、実際に何をしたかで見られていると考えたほうが近いです。

出典:パーソルキャリア「採用担当者が面接で重視するポイント」転職理由ランキングの26.3%とは別の調査です。

職種の「なぜ」は、前職の動作から作る

応募先と前にいた場所が違うと、つなげる言葉が見つからなくなりますよね。販売から事務、飲食から営業、製造から接客。職種の名前だけを並べてみると、たしかに接点らしいものは見当たりません。

そこで、職種名ではなく動作のほうを見ます。前職で何をしていたかを、できるだけ細かい単位まで分けてみてください。販売なら接客、レジ、品出し、発注、売上の集計、シフトの調整、新人への指導と、1日の中でやっていたことを並べれば10個くらい出てきます。

そのうち、応募先の仕事に出てくるものを探します。事務なら「売上の集計」と「発注」が近く、営業なら「接客」と「発注」がつながるので、そうやって近いものが1つでも見つかれば、そこを起点にして志望動機を組み立てられるはずです。

つなぎ方は、動作から入ります。「販売をしていました」ではなく、「売上の集計を毎日していました」から始める。そのあとに「その処理をもっと正確にやる仕事に移りたい」と続けると、職種が変わっても話が通ります。

動作が本当に見つからない場合もあるので、そのときは前職で「やっていて苦にならなかったこと」のほうを探してください。数字を合わせるのが嫌ではなかった、人に説明するのが好きだった。好き嫌いも、職種選びの理由としては十分に成り立ちます。

言い方には一つだけ気をつけてください。「前職は向いていなかったので」から始めると、職種の「なぜ」が前職の否定になってしまいます。同じ内容でも「前職でやっていた◯◯の部分を、もっと中心に据えた仕事がしたい」と言えば、続けたいことの話になります。

それと、応募先の職種の中身は先に確かめておいてください。事務と言っても、受発注の処理が中心の会社と、来客や電話の対応が中心の会社があります。どちらを想定して「事務がしたい」と言っているのかが伝わらないと、動作からつなげても宛先が合いません。

求人を何件か読んで、同じ職種名でも業務が違うことが見えてくると、自分がどちらを指して言っているのかがはっきりします。そこまで来ると、職種の「なぜ」は自然に言葉になります🧭

業界ごとに、前職の経験をどうつなげるかは変わってくるので、IT業界を目指す場合の作り方は別にまとめてあります。

未経験からIT業界への志望動機の作り方

会社の「なぜ」は、求人票の中から探す

ここがいちばん困るところですよね。同じ業界の求人が何社も並んでいて、どこも似たようなことを書いているので、違いがなかなか見つかりません。

ここで、違いを作ろうとしないでください。会社の理念やビジョンから探すと、どの会社も同じことを言っているので詰まってしまうので、代わりに求人票の中のほうを見ます。

求人票には、その会社が何を任せたいかが書かれています。仕事内容の欄に並んでいる業務、必須条件と歓迎条件の分け方、研修の書き方。同じ職種の求人を3社並べてみると、この3か所が微妙に違っていることが見えてきて、そこがそのまま会社ごとの特徴になります。

A社は「電話対応」が仕事内容の1行目にあり、B社は「データ入力」が1行目、C社は「来客対応」が1行目。この順番はその会社が何を主に任せたいかを表しているので、そこに反応すれば、会社の「なぜ」として話せます。

他社の求人も見たのですが、御社の募集は仕事内容の最初に「お客様からの問い合わせ対応」と書かれていました。前職で問い合わせにメールで答える仕事を続けていたので、そこがいちばん近いと感じました。研修についても「3か月は先輩と一緒に対応」と書かれていたので、未経験から入っても手順を覚えられると考えて応募しました

求人票から拾うと、嘘にならないのが利点です。理念に共感したと言うと「どこに共感したのか」を聞かれて詰まりますが、求人票の1行なら実際に読んだ話なので、聞かれるほど具体的に答えられます。

同業3社を並べて読むのも手です。3社とも同じ業務が並んでいるなら、そこは業界の共通点にすぎないので理由になりません。1社だけに書かれている業務や条件があれば、それがその会社の特徴です。

書類に書く志望動機の作り方は、こちらでも扱っています。

未経験転職の志望動機の書き方 3つの材料は、取る場所が違う

求人票を3社並べて比べるのは、慣れるまで手間がかかります。20代で東京23区や大阪・名古屋の都心で探していて、3か月以内に決めたいなら、担当者を選べるサービスを使う手もあります。

担当者を選んで相談したい、20代の方へ

転職エージェントナビに無料で相談する

※転職エージェントナビは20代が対象で、勤務地は東京23区・大阪都心・名古屋都心が中心です。 3か月以内の転職を考えている方向けなので、時期が合う場合に検討してください。

対象の地域や年齢が合わない場合は、別の相談先を探してください。

未経験転職におすすめのエージェント比較

よくある質問

「給料が良かったから」は、正直に言ってはいけませんか?

主な理由として最初に出すのは避けたほうがいいです。条件で選んだと伝わると、もっと良い条件の会社が見つかったら移るのではないかと考えられます。ただ、待遇を理由にするのが悪いわけではありません。「前職では収入が上がる見込みがなく、成果が評価に反映される環境で働きたいと考えました」のように、条件そのものではなく、その先にある働き方の話に変えると伝わります。

前職と全く関係ない職種の場合、どう答えればいいですか?

職種名ではなく、前職でやっていた動作から探してください。製造から事務なら、検品や記録の作業が近いですし、飲食から営業なら、その場で相手の要望を聞いて対応していた経験がつながります。動作が見つからない場合は、「やっていて苦にならなかったこと」を理由にして構いません。好き嫌いは、職種を選ぶ理由として成り立ちます。

「なぜこの会社なのか」で、他社との違いが見つかりません

理念やビジョンから探すと見つからないので、求人票の中を見てください。同じ職種の求人を3社並べると、仕事内容の並び順、必須条件と歓迎条件の分け方、研修の書き方が違います。「仕事内容の最初に問い合わせ対応と書かれていた」のように、実際に読んだ1行を理由にすれば、聞かれるほど具体的に答えられます。

未経験の仕事について調べたことは、どこまで話せばいいですか?

調べた量より、何をしたかを1つだけ出すほうが効きます。「求人を20件読んで共通する業務を書き出した」「無料の講座を1つ終えた」といった行動が1つ入れば十分です。逆に、調べた知識を長く話すと、知識を披露しているように見えることがあります。知っていることではなく、動いたことを話してください。

まとめ:3つ全部ではなく、1つに答える

この質問に答えにくいのは、言葉が足りないからではありません。3つの質問が1つの文に入っていて、その全部に答えようとするからです。

前職の「なぜ」、職種の「なぜ」、会社の「なぜ」。この3つを先に分けておいて、聞かれた1つにだけ答える。それだけで話は短くなり、そのぶん中身が入ります。

職種のほうは前職の動作から、会社のほうは求人票の中から拾えます。どちらも自分の外から持ってくるものではないので、作文する必要はありません。

全部に答えようとすると長くなって、どこも伝わりません。1つに絞れば短くなって、そのぶん中身のほうが残ります。

次の面接では、3つのうちどれを聞かれたのかを一度考えてから話し始めてください🔎