高卒から未経験転職|「学歴不問」と「高卒以上」は違う
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最初に言うと、高卒で応募できる求人は思っているより多いです。狭くしているのは学歴ではなく、求人票の学歴欄の読み方のほうです。
「学歴不問」と書かれた求人だけを探していると、枠がいちばん広いところを丸ごと見落とします。中途採用でよく使われるのは「高卒以上」という書き方で、これは高卒が対象に入っているという意味です。不問だけで絞ると、その求人が検索から消えます。
もちろん、学歴が効く場面はあります。新卒の一括採用や、応募資格に学歴を書いている大手の募集です。ただ、未経験から中途で入る枠では、先に見られるのは職務経歴と資格のほうになります。
この記事では、求人票の学歴表記を4つに分けるところから始めて、学歴が効く場面と効かない場面、同い年の大卒との違い、落ちた理由の見分け方、そして住まいごと変える道までを整理します。
「学歴不問」と「高卒以上」は、違う
求人票の応募資格の欄には、4通りの書かれ方があって、どれも似て見えますが、意味はそれぞれ別です。
いちばんもったいないのが、1行目だけを探している状態です。求人サイトの絞り込みに「学歴不問」のチェックがあるので、そこを押して出てきたものだけを見ている人は多いのですが、それだと2行目が検索結果から丸ごと消えます。
2行目は「以上」なので、高卒はその中に入っていて、上に専門卒や大卒がいるだけで、応募資格としては満たしている状態です。ここを外して探すと、母数が一気に減ります📗
3行目だけは、はっきり線が引かれています。専門・短大卒以上と書かれている求人に高卒で応募しても、多くの場合は書類を読まれる前に外れます。ここは粘る場所ではないので、時間を使わずに次へ行ってください。
4行目が、いちばん判断に迷うところです。学歴について何も書かれていない求人は、条件にしていない場合もあれば、単に書き忘れている場合もあるので、他の応募資格の書き方から推し測ることになります。年齢や資格の条件が細かく並んでいるのに学歴だけ空欄なら、条件にしていない可能性が高いです。どうしても気になるなら、応募前に問い合わせて構いません。
この4つを見分けられるようになると、探す範囲そのものが変わってきますし、応募資格の読み方は学歴欄以外にも効いてくるので、求人票全体の読み方を押さえておけば無駄な応募も減っていきます。
応募資格の「歓迎」と「必須」も、同じように分けて読んでください。必須のほうを満たしていれば応募できるので、歓迎の欄に大卒と書かれていても、必須でなければ対象から外れているわけではありません。
学歴不問という表記でも、選考で一切見ないとまでは限りません。ただ、不問と掲げた以上は学歴だけを理由に落とす建て付けにはなっていないので、そのぶん書類の中身で判断される割合が上がります。つまり不問の求人ほど、職歴欄の書き方で差がついてきます。
見落としやすいのが、求人サイトの応募フォームです。最終学歴の欄が必須の選択項目になっていて、選ばないと先へ進めない形になっていることがあります。ここで選んだ内容と求人の条件が合っていないと、応募した時点で自動的に外れる仕組みのサイトもあるので、送ったのに何の連絡も来ない場合は、求人票の表記と突き合わせてみてください。
学歴が効く場面と、効かない場面
高卒は不利だと言われますが、その言い方は広すぎます。どこで不利になるのかを分けないと、対策のしようがありません。
| 場面 | 学歴が効くか | 中身 |
|---|---|---|
| 新卒の一括採用 | 効く | 大卒以上を条件にしている募集がある。そもそも応募できないことがある |
| 一部の大手の中途採用 | 効く | 応募資格に学歴が書かれていれば、そこで決まる |
| 中途の未経験枠 | ほとんど効かない | 職務経歴と資格のほうが先に見られる |
| 国家資格の受験要件 | 資格による | 実務経験の年数で代わりにできるものが多い |
未経験から中途で入るときに戦うのは、3行目です。ここでは学歴欄の1行より、その下にある職歴欄のほうが長く読まれます。何年どこで働いて、何を任されていたか。選考の材料になるのはそちらです。
4行目も知っておいて損はありません。国家資格の中には学歴で受験資格が決まるものもあるものの、実務経験の年数を積めば受けられる形になっているものが多いので、働きながら取れる資格はきちんと残っています。学歴で完全に閉じているわけではないんです。
学歴が応募資格に書かれている大手を見つけたときは、そこで止めずにグループ内の他社も見てください。同じ名前がついていても採用の条件は会社ごとに決まっているので、親会社が大卒以上でも、子会社や関連会社は学歴を条件にしていないことがあります。
思い込みを一つ外しておきたいので、数字を出します。厚生労働省の調査では、最初に就職した会社を3年以内に離れた人の割合が、大学卒で33.8%、高校卒で37.9%でした。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」令和4年3月卒業者の3年以内離職率。
差は4.1ポイントです。高卒だから続かない、という言われ方をすることがありますが、実際の開きはこの程度で、しかも3年以内に辞める人はどちらの区分でも3人に1人を超えています。つまり早く辞めるかどうかを分けているのは学歴ではなく、別のところにあるということです🧮
中途の未経験枠でも、履歴書には学歴を書く欄があって、そこは避けて通れません。書く欄があるから書いているだけで、そこで合否が決まるという意味ではありません。様式に従って埋めれば十分ですし、飾る必要も、詫びる必要もないです。
3行目で戦うなら、資格を1つ持っておくと学歴の話が早く終わります。何が効くかは職種によって違いますが、応募したい求人を5件ほど開いて、歓迎欄に同じ資格名が繰り返し出てくるなら、それが実際に評価されている資格だと考えて構いません。迷ったときは、その共通して出てくるものから取ってください。
なお、この記事が想定しているのは、働いてきた実績はあるのに学歴で止まっている人です。職歴そのものが無い場合や、働いていない期間が長い場合は、先に説明の順番を整理するほうが効きます。
同い年の大卒より、4年早く働いている
ここで一つ、高卒の側にしかない持ち物の話をしておきたいのですが、それは働いてきた年数のことです。
高校を出てすぐ働き始めた人は18歳から、大学を出た人は22歳から社会人になるので、同じ年齢で並べれば、差はそのまま4年です。
22歳の時点で、高卒は4年目に入っていて、大卒は入社したばかり。24歳なら6年目と2年目、26歳なら8年目と4年目という並びです。中途の未経験枠で見られるのは社会人として何年やってきたかなので、同い年で比べたときに長いのは高卒のほうです。
この4年は、机上の数字ではありません。4年あれば、だいたいの職場で後輩がつきますし、任される範囲も最初とは変わっているはずです。遅刻せずに出勤する、決められた手順を守る、分からないことを聞ける相手を作る。書くとあたりまえに見えますが、採用する側が未経験者に不安を持つのは、まさにこの部分なんです🪜
ただし、長さだけでは効きません。「6年働きました」で止めると、何をしてきたかが伝わらないので、年数が材料になりません。何を任されて、どこまで一人でできるようになったかを一緒に書いてください。
年齢の話になると、何歳までなら未経験で動けるのかが気になってくるはずです。年代ごとに見られる部分が変わるので、そこは別の記事で整理しています。
高卒で長く同じ会社にいた人ほど強い部分もあって、在籍が長いこと自体が、続けられる人だという説明になります。転職の回数が少ないことは、未経験で入る場面ではそのまま有利に働きます。
逆に、短い期間で職場を変えてきた場合は、年数を足し算するより、いちばん長く続いた1社を前に出してください。合計より、1社あたりの長さのほうが見られます。
面接で年数を出すときは、置く順番を変えるだけで伝わり方が違ってきます。「高卒で、工場で6年やっていました」ではなく、「6年、同じ工程を任されてきました」と、年数と中身のほうを先に出す。学歴は履歴書に書いてあるので、口でもう一度なぞる必要はありません。
18歳から働いてきた年数は、業界の中での知り合いにもなっています。製造なら取引先の担当者、販売なら本部の人。同じ業界の別の会社へ移るときには、その関係がそのまま材料になることもあるので、未経験といっても、まったくの白紙から始めるわけではないんです。
落ちた理由は、学歴とは限らない
書類で通らない日が続くと、原因を一つに決めてしまいたくなりますが、決めた瞬間に直せるところが見えなくなります。
順番としては、まず応募資格を満たしていたかを確認してください。専門・短大卒以上と書かれた求人に出していたなら、それは書類の中身の問題ではありません。表記を読み違えていただけなので、応募先を選び直せば結果は変わります。
次に見るのは、どの段階で止まっているかです。書類で落ちているのか、面接まで進んで落ちているのかで、直す場所がまるで違ってきます。面接に呼ばれているなら、少なくとも書類は通っているので、学歴で切られていない証拠です。
面接まで進んで落ちる場合に多いのは、これまでの仕事を短くしか話していないことです。「工場で4年働いていました」で終わると、面接官には何を任されていたのかが分からないままなので、比べる材料が残りません。ここは学歴とは関係のない部分なので、話す中身を足せば結果は動きます。
足すのは、難しい言葉ではありません。どの工程を担当していたか、1日にどれくらいの量を扱っていたか、後輩に教える立場だったか。この3つを足すだけで、4年の中身が相手に届きます。
書類で落ちている場合は、職歴欄の書き方を見直してください。会社名と在籍期間だけが並んでいる状態だと、読む側には何も残らないまま終わってしまいます。担当していた工程、扱っていた機械や商品、人数の規模。どれも書けば材料になります🎯
何を書けばいいのか分からないときは、仕事を細かく分けるところから始めると出てきます。書くことがないと感じる状態からの掘り出し方は、専用の記事にまとめてあります。
もう一つ見てほしいのが、応募した数です。5社で通らないのと、30社で通らないのでは、意味が違います。数が少ないうちは、まだ原因を特定できる段階ではないので、応募先の選び方と書類の中身を直しながら続けてください。
住まいごと変える道もある
ここまでは、いま暮らしている場所から通える範囲の話でした。もう一つ足しておきたい選択肢が、住む場所ごと動かす形です。
求人の中には寮がついているものがあるので、住まいと仕事が同時に決まりますし、地方にいて近くに求人が少ない場合や、まとまった貯金がない状態で動きたい場合には、これが現実的な選び方になってきます。
この形で多いのは、製造や物流の職種です。介護や事務を扱っているところもありますが、寮つきで探すなら中心になるのは工場や倉庫の仕事だと思っておいてください。オフィスワークへ移りたい人には向かない道なので、そこは正直に分かれます。
こうした求人を扱っているサイトもあって、担当者が求人を選んでくれるエージェントではなく、自分で条件を見て探す形になっています。面談を挟んでから就業先を決める流れになっていて、対象は16歳から54歳と幅が広く取られています。
住まいごと変えて働き始めたい方へ
ワークスタッフナビで寮つきの求人を探す※ワークスタッフナビは求人サイトなので、担当者が求人を選んでくれるエージェントとは形が違います。 扱っているのは製造・物流を中心に、介護や事務まで。対象は16歳から54歳です。
使うときに見てほしいのは、寮の中身です。寮費が無料なのか自己負担なのか、家具や家電がついているのか、部屋が1人部屋なのか。同じ「寮あり」でも条件はばらつくので、そこを比べてから決めてください🧳
それと、短期で終わる仕事は避けてください。経歴として残る形にするなら、続けて働ける求人を選ぶほうがいいです。
寮に入って働き始めたあとのことも、先に考えておいてください。1年でも2年でも同じ場所で続ければ、そこは職歴欄に書ける実績になりますし、そのうえで通いたい地域に戻るなり、別の職種へ移るなりを考えれば、次の選択肢は入る前より増えているはずです。
住まいを変えずにアルバイトから正社員を目指す道もあって、そちらは別の記事で扱っています。
通える範囲で探す場合は、相談先を使う手もあります。未経験を扱う量や対象の年齢はサービスごとに違うので、比べてから決めるほうが手戻りは少なくなるはずです。
よくある質問
履歴書に「高卒」と書くと、それだけで落とされますか?
応募資格に学歴が書かれていない求人なら、その1行だけで落とされることはあまりありません。専門・短大卒以上と書かれた求人に出した場合は、応募資格を満たしていないので外れます。つまり落ちる落ちないを分けているのは学歴欄そのものより、応募先の選び方のほうです。応募資格の表記を先に確認してから出してください。
働きながら大学や専門学校に通ったほうがいいですか?
目指す職種によります。受験に学歴の要件がある資格を取りたいなら、通う意味があります。一方で、未経験で中途採用の枠を狙うだけなら、学校に通う4年より、いまの仕事で任される範囲を広げる4年のほうが職歴欄に残ります。まず応募したい求人の応募資格を見て、学歴が条件になっているかを確かめてから決めてください。
「高卒以上」と書かれた求人なら、必ず応募できますか?
学歴の条件は満たしています。応募資格には学歴以外の項目も並んでいるので、そちらも確認してください。運転免許、特定の資格、経験年数など、必須と書かれているものを満たしていなければ、学歴とは別の理由で外れます。歓迎と書かれている項目は満たしていなくても応募できます。
面接で「なぜ進学しなかったのか」と聞かれたら、どう答えますか?
この質問が来ること自体は多くありません。聞かれた場合も、そのときの事情を長く話す必要はないので、一言で済ませてから、働き始めてから何をしてきたかに話を移してください。経済的な事情でも、早く働きたかったからでも構いません。面接官が知りたいのは進学の可否ではなく、これまで何年どう働いてきたかのほうです。
まとめ:学歴欄は1行で終わる
応募できる求人が少ないのではなく、探し方のほうで範囲を狭くしているだけです。「学歴不問」だけを見ていると、いちばん枠の広い「高卒以上」が検索から消えます。
学歴が効く場面は、新卒の一括採用と、応募資格に学歴を書いている募集の2つです。ただ、未経験から中途で入る枠では、職務経歴と資格のほうが先に読まれます。
同い年で並べれば、働いてきた年数は高卒のほうが4年長くなります。その4年を「何年働いた」で止めず、何を任されてきたかまで書いてください。
通らない日が続いても、原因を学歴に決めないでください。応募資格を満たしていたか、どこで止まったか、何社出したか。見れば直せるところが残っています。
履歴書の学歴欄は1行で終わります。その下の職歴欄と資格欄のほうが、ずっと長いはずです。読まれるのはそちらです🎓