未経験転職で後悔する人の共通点|取り返せる後悔と、そうでない後悔
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同じ「未経験から転職した」でも、半年後に落ち着いている人と、また求人を見始めている人がいます。
違いは入った会社の当たり外れではありません。入る前に何を決めていたかです。落ち着いている人は、避けたい条件と、やりたい作業を先に決めてから求人を見ています。もう一度探し始めた人は、求人を見てから「これならできそう」と決めています。
順番が逆だと、選べる範囲の中でしか考えられません。「未経験歓迎」と書かれた職種が並ぶので、その中から選ぶことになり、入ってから「こんなはずじゃなかった」に行き着きます。
この記事では、後悔を取り返せるものと取り返せないものに分けて、決める順番、入社前に確認する3つ、そしてすでに後悔している場合にやることまでを整理します。
後悔には、戻れるものと戻れないものがある
転職して数か月が経つと、朝の支度をしながら「これでよかったのかな」と考える日が出てきます。仕事が嫌なわけでもないのに、ふとした瞬間にそう思う。
ただ、一言でまとめてしまうと手が打てません。中身を見ると、いまからでも変えられるものと、入る前にしか決められなかったものが混ざっています。
入社前にしか決められない
- 年収が下がって生活が回らない。昇給の幅は入社の時点でほぼ決まっているので、入ってから交渉しても動く範囲は狭い
- 休みや勤務時間が聞いていた話と違う。就業規則そのものを一人のために変えることはできない
入社後でも動かせる
- 仕事内容が想像と違った。担当の範囲は相談で変わることがあるので、まず上司に今の配分を伝えてみる
- 人間関係が合わない。部署が複数ある会社なら異動という道が残っている
動かせるほうは、いまいる場所のまま形を変えられるものです。仕事内容なら、半年やってみて何が向いていないのかを具体的に言えるようになってから相談するほうが通りやすいですし、人間関係も、部署がいくつかある会社なら異動の希望を出せます。
入社前にしか決められなかったほうは、そうはいきません。ここを後悔している場合、いまの会社でどれだけ頑張っても解決しないので、次に動くときに同じ場所でつまずかないよう、入る前の段階で確認しておく必要が出てきます。
この2つを分けないまま「転職に失敗した」と考えると、動かせるものまで諦めることになります。逆に、入る前に決めるしかなかったほうを「慣れれば平気になる」と言い聞かせると、生活のほうが先に持たなくなります⏳
気になるのは、入る前にしか決められない側が、辞める理由の上位と重なっていることです。パーソルキャリアが20代から50代の正社員978人に聞いた調査では、転職理由の1位が「給与が低い・昇給が見込めない」で36.6%、2位が「労働時間に不満(残業・休日出勤)」で26.3%でした。
出典:パーソルキャリア「転職理由ランキング【最新版】」20〜59歳の正社員978人への調査・複数回答。
この2つは、どちらも入社後に社内で動かしにくい条件です。つまり辞める理由として多く挙がるのは、入ってからでは手を入れにくい側だということになります。ここは運ではなく、入る前の確認で減らせる部分が残っています。
なお、応募や選考のやり方でつまずく失敗については、完全ガイドのほうで5つに分けて扱っています。この記事が扱うのは、入ってから「こんなはずじゃなかった」と思う部分なので、時間軸そのものが違うんです。
求人から選び始めると、だいたい後悔する
うまくいかなかった話を順にたどっていくと、たいてい同じ地点に戻ってきます。何をしたいかが決まらないまま、転職サイトを開いてしまったところです。
ここで一つ誤解を解いておきたいのですが、決められなかったのは意志が弱かったからではなく、決める材料をどの順番で出すかが逆になっていただけなんです。
求人から入ると、目の前にあるものの中でしか考えられません。「未経験歓迎」と書かれた職種が並ぶので、その中から選ぶことになり、自分が本当は何を避けたかったのかは、一度も言葉にならないまま終わってしまいます。
- 避けたい条件を書く通勤1時間以上は無理、土日勤務は無理、といった生活の側から先に出す
- やりたい作業を書く職種名ではなく動作で書く。人と話す、数字を合わせる、手を動かして形にする
- 職種に当てはめる条件と動作の両方に合う職種を、3つまで挙げる
- 求人を見るここで初めてサイトを開く。3職種の外は見ない
順番が大事なのは、あとの工程ほど選択肢が多いからです。求人は何万件もあるので、先に見てしまうと基準のほうが求人に引っ張られます。条件から入れば、何万件のうち見る必要があるものは一気に減っていきます。
ステップ2を職種名ではなく動作で書くのは、未経験には職種の中身が分からないからです。「事務」と書いてもやることは会社ごとに違いますが、「数字を合わせる作業なら苦にならない」なら、それは職種をまたいで通用する材料になります。
ここで手が止まる人は多いはずです。やりたい作業が出てこない。何が向いているのかも分からない。そういう段階で無理にステップ3へ進むと、また求人から選ぶことになってしまいます。
そういうときに使えるのが、キャリアコーチングという形です。求人そのものは出てこないので、紹介を待つ場ではありません。これまでの仕事で何が嫌で何が続いたのかを、人と話しながら言葉にしていく場です。「何がしたいか分からない」という段階の人を対象にしているので、職種が決まっていないまま相談して構いません。トレーニングそのものは有料ですが、初回の体験相談は無料なので、合うかどうかはそこで判断できます。
何をしたいかが決まらないまま止まっている方へ
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この順番を守るには、それなりの時間も要ります。在職中に動くなら、4つのステップを1週間で終わらせるのは難しいので、どのくらいの期間で進めるかを先に決めておくほうが焦らずに済みます。
焦っているときほど、ステップ1から3が全部飛びます。早く決めたい気持ちが先に来て、求人を開いて、「未経験歓迎」と書いてある中から選ぶ。その結果として入ってから合わないと分かるので、これは性格ではなく手順の問題です🗺
入社前に確認するのは、3つだけ
すべてを見抜こうとすると、かえって何も聞けないまま面接が終わってしまうので、数を絞ってください。あとになって効いてくるのは、次の3つです。
1つ目は、入社直後に何を任されるかです。求人票の仕事内容は、その部署全体の業務が書かれていることが多いので、自分が最初に触る範囲とは一致しません。「最初に任される業務は、どの範囲になりますか」と聞けば、入って3か月の実像が返ってきます。
2つ目は、残業の実績です。規定に書かれた時間ではなく、先月どうだったかという実績のほうを聞いてください。「先月、この部署の方は何時ごろ退社されていましたか」と月を指定すると、平均という言葉に逃げられにくくなります。答えが曖昧なまま流れた場合、その曖昧さ自体が一つの情報です。
3つ目は、教える人が誰かです。未経験で入って最初につまずくのは、仕事の難しさより、分からないことを誰に聞けばいいか分からない状況のほうです。「日々の業務は、どの方に確認しながら進める形になりますか」と聞けば、教育の形が整っているかが見えてきます。
3つとも、面接の最後に質問を促されたときに聞けます。条件の確認は選考で不利になると思われがちですが、入ってから続けられるかを考えている人の質問なので、むしろ具体的に答えてくれる会社のほうが多いです📋
この3つを選んだのには理由があります。最初に任される業務は仕事内容の後悔に、退社の時刻は勤務時間の後悔に、教える人は続けられるかどうかにつながっていて、どれも1つ目の章で、入る前にしか決められない側に並んでいたものだからです。動かせるほうは、入ってからでも相談や異動で形が変わります。限られた質問の枠を使うなら、動かせないほうを先にしてください。
面接が複数回ある場合は、聞く相手も分けられます。人事だけが出てくる一次面接では制度の説明しか返ってこないことが多いのですが、配属先の上司が出てくる二次面接なら、実際の業務の割り振りや、その部署が何時ごろまで動いているかを具体的に聞けます。
聞きにくければ、求人票の側からも拾えます。休日の書き方、残業時間の書き方、研修の書き方。この3つは会社によって具体性がまるで違うので、読み方を覚えておけば、面接に行く前の段階で候補をある程度まで絞り込めますし、聞くべき質問も残り少なくなります。
内定が出てからでも間に合う部分はあります。労働条件通知書には、勤務時間、休日、賃金の内訳が書かれているので、面接で聞いた話と食い違っていないかをそこで突き合わせてください。口頭の説明と書面が違う場合、あとで効いてくるのは書面のほうです。
内定が2つ出て決めきれない場合も、比べる軸そのものを置き換えると早く決まるので、後悔を先に潰しておきたいなら、こちらの並べ方が使えます。
「年収が下がる」は、入社前にしか直せない
給与の話には、他の後悔と違うところが一つあります。正式な金額を確かめられる場面が、入社までに一度しかないことです。
仕事内容も人間関係も、入ってから相談する余地が残っています。ところが給与は、入社の時点で決まった額がそのまま昇給の起点になるので、あとから動かせる幅がかなり狭くなってしまいます。だからここは、取り返しにくい側の代表になります💰
その一度きりの場面が、内定が出てから入社するまでのあいだです。労働条件通知書が渡されるので、そこで初めて正式な金額と内訳を見ることになります。求人票に書かれているのは幅なので、その段階では確定していません。
渡されたら、金額の内訳と賞与の実績、それに昇給の条件という3か所を見てください。
1つ目の内訳は、月給の中身がどう分かれているかです。同じ25万円でも、全部が基本給の会社と、基本給が少なくて手当で足している会社があります。賞与は基本給を基準に計算されることが多いので、内訳が違うと年間の総額も変わってきます。
2つ目の賞与は、回数ではなく実績を聞いてください。「年2回」と書かれていても、何か月分が出ているかまでは分かりません。前年に実際いくら支給されたかを尋ねれば、年収の見通しが立ちます。
3つ目の昇給は、金額と条件のほうです。「昇給年1回」とだけ書いてある場合、上がる額が決まっていません。聞きにくければ、「未経験で入った方は、3年目くらいでどのあたりの水準になりますか」と幅で尋ねる形にすると答えやすくなります。
この3つを内定後に確かめておけば、入ってから金額に驚くことはなくなります。逆に、ここを飛ばして入社の返事をすると、確かめる場面はもう残りません。
ここまでは内定が出たあとの話ですが、応募する前の段階でも、その求人が下がったまま戻らない形かどうかは求人票から判別できます。
同じ下がり幅でも、受け止め方は年代で変わります。そこは年代別に整理した記事があるので、合わせて見てください。
ここまで読んで、すでに下がった状態で働いている場合はどうするか。社内で上げる方法が残っているかを先に確認してください。資格手当がある会社なら、対象の資格を取ると月額が変わることがありますし、等級が上がる条件が決まっているなら、そこまでの距離が見えます。どちらも無いと分かった時点で、初めて外を見る話になります。
すでに入って後悔しているなら
いま合わないと感じている人にとって、ここまでの話は間に合っていないので、この章では次に何をするかだけを書きます。
最初にやってほしいのは、辞めるかどうかを決めることではなく、何が嫌なのかを一つずつ紙に書き出すことです。箇条書きで十分です。頭の中にあるうちは全部が一つの塊に見えますが、書き出すと、動かせるものと動かせないものに分かれます。
入ってからの重さが時間で消えるものなのかどうかは、別の記事で分けました。数か月で薄くなるものと、そうでないものがあります。
未経験の仕事がきつい・続かない 消えるきつさと消えないきつさ
分けたあとで、動かせる側から手をつけてください。仕事内容が違うなら上司に今の配分を伝える、人間関係なら異動の希望を出す。やってみて変わらなかったという事実は、あとで転職理由を話すときにそのまま材料として使えます。
ここで多くの人が、また辞めたら経歴が終わると考えて足を止めてしまいます。ですが、耐えるか辞めるかの二択ではありません。動かせるものを試す、という途中の選択肢が残っています🚪
それでも動かない場合は、次を探し始める判断になりますが、そのときに気をつけたいのは、いまの職場から逃げる形で次を選ぶと、結局また求人から選び始めることになる点です。先ほどの4つのステップに戻って、避けたい条件とやりたい作業を先に書いてから求人を開いてください。
在職中に探すか、辞めてから探すかで迷ったら、生活費が何か月分あるかで決めるのが現実的で、余裕が少ないなら在職中に進めるほうが、焦って条件を妥協せずに済みます。
相談先を決めるときは、未経験の求人をどれだけ扱っているかで選んでください。担当者との相性も、見ている年齢層も、扱う地域もサービスごとに違ってくるので、登録する前に比べておいてください。
在籍期間が短いうちに動く場合は、次の面接で必ず理由を聞かれます。そこで前の職場を悪く言うと、それだけで印象が落ちてしまうので、動かせるものを試したという事実のほうを話してください。相談した、希望を出した、それでも変わらなかった。この順番で話せば、辞め癖ではなく判断として伝わります🌤
よくある質問
入社して3か月で「合わない」と思ったら、すぐ辞めるべきですか?
何が合わないのかによります。仕事内容や人間関係なら、まだ社内で動かせる余地があるので、上司に相談してから判断しても遅くありません。一方で、年収や勤務時間が生活と合っていない場合は、社内で変えられる部分が少ないので、動くなら早いほうが傷は浅くなります。まず紙に書き出して、どちら側の話なのかを分けてください。
年収が下がったぶんは、あとから取り返せますか?
同じ会社の中で取り返すなら、昇給の仕組みしだいです。等級が上がる条件が決まっている会社や、資格手当がある会社なら道筋が見えますが、そうした仕組みがはっきりしない場合は、数年かけても幅が限られます。入社時の金額が昇給の起点になるので、次に動くときは月給だけでなく、賞与や手当まで含めた年収で比べてください。
仕事内容が求人票と違った場合、どうすればいいですか?
まず労働条件通知書を確認してください。書面に書かれた内容と実際の業務が明らかに違うなら、それは会社に伝えてよい話です。書面の範囲に収まっているものの想像と違ったという場合は、上司に今の担当範囲を伝えて、やりたい作業に近づけられないか相談する形になります。半年ほど続けてから話すほうが、何が向いていないのかを具体的に言えるので通りやすくなります。
後悔しない転職なんて、そもそもあるのでしょうか?
一つも後悔しない転職は、たぶんありません。入ってみないと分からないことは、どれだけ調べても必ず残ってしまいます。ただ、取り返しがつく後悔と、そうでない後悔は分けられます。仕事内容や人間関係は入ってからでも動かせますが、年収や勤務時間は入る前にしか決められません。後悔をゼロにするのではなく、戻れない側だけを減らす。そう考えるほうが現実に合っています。
まとめ:求人を開く前に、一つだけ手を動かす
半年後に落ち着いているかどうかは、会社の当たり外れではなく、入る前に何を決めていたかで変わります。
後悔には、いまからでも動かせるものと、入社の時点で決まってしまったものがあります。仕事内容や人間関係は相談や異動で形が変わりますが、年収と勤務時間はそうはいきません。
だから確認するのは3つだけで十分です。最初に任される業務、先月の退社時刻、教えてくれる人。この3つは、面接の終わりに質問を促されたときに聞けます。
すでに入って合わないと感じているなら、辞めるかどうかの前に、嫌なことを書き出して2つに分けてください。動かせる側を試した事実は、次の面接でそのまま使えます。
次に動くときは、求人を開く前にひとつだけ手を動かしてください。避けたい条件を3つ挙げる。やることは、それだけです✍