未経験の履歴書の書き方|空欄は埋めず、整える順番を変える
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同じ経歴でも、通る履歴書と、そうでない履歴書があります。違いは書いた量ではありません。
未経験から応募するとき、多くの人は欄が余ることを気にします。職歴が2行で終わってしまう、資格の欄に書くものがない、本人希望記入欄が真っ白のまま。埋めなければと思って、余ったところに説明を足していきます。
ですが履歴書は、説明するための書類ではありません。いつ、どこで、何をしてきたかを確認するための書類です。説明は職務経歴書のほうが引き受けるので、履歴書に詰め込むと、かえって読みにくくなります。
この記事では、2つの書類の役割を分けるところから始めて、空欄になりやすい3つの欄の扱い、職歴欄が短いときの整え方、志望動機欄の分量、そして出す前の確認までを整理します。
履歴書と職務経歴書は、役割が違う
まず、2枚の関係をはっきりさせておきます。ここが混ざったまま書き始めると、どちらも中途半端になってしまうからです。
前者は、決まった様式に事実を並べていく書類です。生年月日、学歴、勤めた会社と在籍した期間、持っている資格。読む側は、経歴に矛盾がないか、応募資格を満たしているかをここで確認しているので、書く側は正確さだけを気にすれば足ります🖊
後者は、自由な形式で中身を説明する書類です。どの部署で何を任され、どこまで一人でできるようになったのか。分量も決まっていないので、材料がある人ほど長くなっていきます。
未経験の人がつまずくのは、この2枚を同じものとして扱ってしまうところです。職歴欄が短いことを気にして、そこに業務の説明を書き足していくと、様式からはみ出して読みにくくなりますし、職務経歴書と同じことを2回読ませることにもなってしまいます📑
そもそも、前者で余白が出るのは当たり前で、未経験から応募しているなら勤めた会社は多くありませんし、資格の欄も埋まりません。読む側もそれは分かったうえで見ているので、余白そのものを不利と受け取ることはあまりないんです。
写真についても、同じ考え方でいいです。求人票に指定があればそれに従い、なければ一般的な証明写真で問題ありません。服装や背景で差をつけようとする場所ではないので、時間をかけるならほかの欄に回すほうが得です。
年齢や性別の欄も、様式に用意されていれば埋めます。会社によっては省いた様式を使っているところもあるので、指定の様式が配られた場合は、そちらを使うのが確実です。
不利になるのは、余白ではなく、ちぐはぐさのほうです。年月の表記が途中で変わっている、入社だけ書いて退社が抜けている、会社名が略されている。こうした粗が1つ入ると、書類全体の信用が落ちてしまいます。
2枚は読まれる順番も違います。先に開かれるのは様式のあるほうで、そこで応募資格を満たしているかを確認されてから、中身の説明に進む流れになるので、ここで年齢や学歴の条件に引っかかると、もう1枚は読まれないまま終わってしまいます。
つまり様式のある1枚は、選ばれるための書類というより、落ちないための書類に近いんです。凝った書き方をして評価を上げる場所ではないので、迷ったら短く正確に、で構いません。
中身を掘り出して書くほうの書類については、専用の記事にまとめてあるので、材料が見つからないときはそちらから始めてください。
この記事が扱うのは、あくまで様式のある1枚だけなので、何を書くか迷う話ではなく、どの欄をどう埋めるかという話になります。
空欄になりやすい3つの欄
手が止まりやすいところは、だいたい決まっていて、免許と資格を書くところ、志望の理由を書くところ、そして最後に希望を書くところの3つです。
1つ目から見ていくと、資格を1つも持っていない場合でも、そこを白いまま出さないでください。「特になし」と書けば、書き忘れではなく持っていないのだと伝わりますし、勉強を始めているものがあるなら「◯◯取得に向けて学習中」という書き方ができます。
ただし、応募先と関係のない資格を並べるのは逆効果で、事務に応募するのに趣味の検定を書いても材料になりませんし、欄を埋めるために書いたことが伝わってしまいます🪧
2つ目は、志望の理由を書く欄です。ここで多いのが、職務経歴書に書いた文をそのまま貼るという対処ですが、読む側は2枚を並べて見ているので、同じ文が2回出てくると手を抜いた印象になってしまうため、分量を変えて書き分けることになります。
3つ目が、いちばん見落とされている欄です。本人希望記入欄をどう扱うかで、入ったあとの働き方まで変わってきます。
損をする書き方
- 何も書かずに白いまま出す。あるいは「土日休み希望、残業なし希望、転勤不可」と並べる
- 給与の希望額だけを大きく書く
整った書き方
- 貴社規定に従います、と書く。そのうえで譲れない条件が1つだけあるなら、理由を添えて1行で書く
- 給与は面接で聞かれてから答える。この欄には書かない
白いまま出すと、書き忘れなのか希望がないのか分かりませんし、かといって希望を並べすぎると、条件を先に出す人だと受け取られてしまいます。基本は「貴社規定に従います」の1行で足ります。
ただし、本当に譲れない条件があるなら、そこは隠さないでください。介護や育児で勤務時間に制限がある、通院の都合で特定の曜日は動けない。こうした事情を伏せて入社すると、あとから変えるのはかなり難しくなってしまいます。
書き方にはコツがあって、希望だけを置くのではなく、短い理由を添えてください。「育児の都合により、勤務開始は9時30分を希望します」のように、事情と希望を1文にすると、わがままではなく調整の相談として読まれます。
複数の勤務地がある会社に応募する場合は、通える範囲をここに書いておくと後の手戻りが減ります。内定が出てから遠方の配属だと分かって辞退する、という流れがいちばんお互いに損なんです。
職歴欄が短いときは、盛らずに整える
勤めた会社が1社か2社しかないと、そこだけ余白が目立ちます。行数を増やしたくなりますが、増やそうとするほど粗が出るので、逆のことをしてください。
やることは4つあって、年月の表記を揃える、入社と退社を必ず対にする、会社名を正式名称で書く、空白期間があれば1行だけ触れる。どれも埋める作業ではなく、整える作業のほうです。
表記の統一は、いちばん見られるところで、西暦と和暦のどちらでもよいのですが、1枚の中で混ぜないことが条件になります。生年月日は西暦なのに学歴は和暦、という書類は意外と多く、読む側は頭の中で変換しながら読むことになってしまいます🔖
入社と退社を対にするのも同じ理由で、片方だけ書いてあると、いつまで在籍していたのかが分からないので確認の連絡が必要になってしまいます。在職中なら「現在に至る」と書いて、最後に「以上」で締めます。
会社名は、略さずに正式名称で書きます。株式会社を前に付けるのか後ろに付けるのかまで登記されている通りに合わせるので、確認先は求人票の表記か、その会社のサイトの会社概要になります。
働いていない期間がある場合は、1行だけ触れます。詳しく説明したくなりますが、それは職務経歴書か面接の役目なので、ここでは事実を短く置くだけで足ります。
空白期間そのものをどう説明するかは別に1本あるので、何をどう言えばいいか迷うなら、そちらを見てください。
部署の異動があった場合は、同じ会社の中で1行足せます。入社の行の下に異動の年月と部署名を置けば、社内でどう動いてきたかが1枚で分かりますし、転職していなくても任される範囲が変わってきたことは、そのまま材料になります。
一方で、勤めた会社が多くて欄に収まらない場合もあります。そのときは省略するのではなく、様式のほうを行数の多いものに変えます。省略すると、隠していると受け取られてしまいます。
回数そのものをどう見られるかは、書き方とは切り離して考える話になるので、そこは1本の記事のほうで扱いました。
それでも、正社員として働いた期間そのものが短い場合は、書類を整えるだけでは届かない場面が出てきます。そこは書き方の問題ではなく、どういう枠に出すかの問題なので、正社員の経験が少ない人を前提に見てくれるところへ相談するほうが早いです。
職歴欄が2行で終わってしまう方へ
JAIC就職カレッジに無料で相談する※JAIC就職カレッジは、フリーターや既卒など正社員の経験が少ない方を対象にした無料のサービスです。 研修を挟んでから求人を紹介する形なので、書類の書き方から詰まっている段階でも使えます。 すでに正社員として長く働いてきた方には合わないので、その場合はこのあとで挙げる比較のほうから探してください。
履歴書の志望動機欄は、3行でいい
同じ内容を2回書くのは、書くほうも読むほうも負担になります。だから分けるのは中身ではなく、分量のほうです。
様式のある1枚のほうは、3行程度にまとめます。なぜこの職種なのか、なぜこの会社なのか、入ってから何をしたいのか。この3つを1文ずつ置けば、それで足ります。
前職の店舗運営で、日々の数字を追いながら改善を重ねる仕事にやりがいを感じました。貴社は未経験者への研修期間を3か月設けており、基礎から学べる環境が整っていると感じています。入社後はまず担当業務を確実に覚え、早い段階で一人で回せる状態を目指します
この例文は3文で、余計な修飾はいっさい入っていませんが、それでも前職とのつながり、その会社を選んだ理由、入ってからの姿勢が全部入っています。
詳しく書きたいことは、もう1枚のほうに置きます。エピソードや具体的な数字は自由な形式のほうが収まりますし、読む側もそちらで読む前提でいるはずです。
逆に、まったく別の理由を2枚に書くのはやめてください。同じ文を貼るのが良くないのであって、話が食い違うのはもっと良くないので、要点を揃えたうえで分量だけを変えるのが正しい書き分けになります🍃
3行にまとめるときのコツは、書き始める前に3つの箱を作ることです。1つ目の箱に前職とのつながり、2つ目にその会社を選んだ理由、3つ目に入ってからの姿勢。箱を先に決めておけば、途中で話が広がらずに収まります。
このうち2つ目がいちばん難しいところで、どの会社にも出せる内容になりがちです。求人票の中から、その会社にしか書かれていない一文を探して、そこに触れてください。研修の期間、扱っている商材、募集の背景のうち、1つあれば足ります。
3行に縮める前の本文をどう組み立てるかは、材料の取り出し口から別にまとめました。
なお、様式によっては志望動機と自己PRが1つの欄にまとまっていることもあるので、その場合は志望動機を先に置いて、自己PRは1文だけ添える形にします。両方を詰め込むと、どちらも印象に残りません。
出す前に、3か所だけ見直す
封をする前に、確認しておきたいところがあります。全部を見直すのは大変なので、間違いが出やすい場所だけに絞って見てください。
1つ目は日付で、作成日または提出日を書く欄があるので、使い回した書類を出すときに古い日付のまま送ってしまう事故が、いちばん多く起きます。郵送なら投函日、持参なら持っていく日に合わせます。
2つ目は、会社名と宛先です。複数の会社に応募していると、志望動機の中の社名だけが前の会社のまま残っていることがあるので、ここは通る通らない以前の問題になります。必ず声に出して読んでください🕰
3つ目は様式の指定で、求人票や応募要項に、手書きかデータか、写真の要否、提出の方法が書かれていることがあるので、指定があればそれに従い、書かれていなければどちらを選んでも問題ありません。ここは会社によって扱いが違うので、一般論では決まりません。
それでも通らない状態が続く場合は、書類の外に原因があることもあります。落ちる理由を4つに分けて考える記事を用意してあるので、順番に確かめてみてください。
書類を何度直しても動かないなら、直す場所が中身ではなく、応募先や進む方向のほうにあるのかもしれません。そもそもこの職種でいいのか、いまの会社に残る道はないのか。そこまで含めて見直す時期も出てきます。
相談先を使いながら進めるなら、どこが未経験の求人を多く扱っているかを先に見ておいてください。対象の年代も、扱っている地域もサービスごとに違います。
よくある質問
履歴書は手書きとパソコンのどちらがいいですか?
求人票や応募要項に指定があれば、それに従ってください。書かれていない場合はどちらでもよく、手書きのほうが評価されるという話も聞きますが、会社によって扱いが違うので、一般論としては決められないところです。パソコンで作る場合は、使い回すときに前の会社名や古い日付が残りやすいので、そこだけ注意してください。
アルバイトの経験は、職歴欄に書いてもいいですか?
書いて構いません。とくに正社員の経験が少ない場合は書いたほうが空白の期間が埋まりますし、書くときは会社名と店舗名、在籍した期間を、正社員の職歴と同じ形式で並べてください。短期間のものが多くて行数が足りないときは、応募先の仕事に近いものを選んで書く形でも問題ありません。
資格が1つもない場合、免許・資格欄はどうすればいいですか?
白いまま出さずに「特になし」と書いてください。そう書いておけば書き忘れではなく持っていないのだと伝わりますし、勉強を始めているものがあるなら「◯◯取得に向けて学習中」と書けますが、応募先と関係のない資格を並べるのは逆効果です。欄を埋めるために書いたことが、読む側には分かってしまいます。
履歴書と職務経歴書で、志望動機が違っていても大丈夫ですか?
話が食い違うのは避けてください。要点は揃えたうえで、分量だけを変えるのが正しい書き分けです。同じ文をそのまま貼ると手を抜いた印象になりますが、まったく別のことを書くと、どちらが本当なのか分からなくなります。様式のある1枚には3行程度、詳しい話はもう1枚のほうに置いてください。
まとめ:埋めるのをやめて、整える順番を変える
読まれ方が変わるのは、書いた量ではありません。書類としての整い方の差です。
2枚は役割が違います。様式のあるほうは事実を確認するためのもので、説明はもう1枚が引き受けるので、余白が出てもそこを説明で埋める必要はありません。
空欄になりやすいのは3か所です。資格の欄は「特になし」、志望の理由は3行、本人希望記入欄は「貴社規定に従います」。ただし譲れない条件があるときだけ、そこは1行で書いてください。
職歴が短いなら、行数を増やすのではなく整えます。年月の表記を揃える、入社と退社を対にする、会社名を正式名称にする、空白期間は1行で触れる。
出す前に見るのは、日付、宛先の社名、そして様式の指定の3か所です。ここを外すと、中身を読まれる前に終わってしまいます。
足りない欄を埋めるのではなく、整える。この順番でいけば、1行も書き足さないまま、読まれ方だけが違ってきます。