未経験で書類選考が通らない|落ちる理由は、たぶん経歴じゃない
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29歳のTさんは、3か月で18社に応募して、面接まで進めたのが1社でした。
書類が返ってくるたびに「やっぱり経歴が弱いからかな」と思っていたそうです。ただ、応募した18社の求人票をあらためて並べてみたら、そのうち11社は応募条件のところに「実務経験2年以上」と書いてありました。
経歴が弱かったのではなくて、最初から通らない求人に出していた、というだけの話でした。
書類が通らないと、どうしても自分の経歴のほうを疑ってしまいます。ただ実際には、応募先の選び方でつまずいているケースがかなり多いので、この記事では落ちる理由を4つに分けて、どこから直せばいいのかを順番に見ていきます。
まず、落ちた理由を4つに分けてみる
順番から先に言います📝
未経験の書類選考でつまずく場所は、だいたい決まっています。次の4つのどれかです。
- 応募先が合っていない…必須条件を満たしていない求人に出している
- 経歴の書き方…担当した作業の名前しか書いていない
- 志望動機…社名を入れ替えてもどの会社にも出せる内容になっている
- 応募数…そもそも母数が足りない
1から4は、上から順に効き目が大きい並びです。下へいくほど、細かい調整になります。
だから大事なのは、この並び順です。1を放っておいたまま2から4を直しても通過率はほとんど動きませんが、逆に、1を直しただけで面接に進みはじめることもあります。
数社落ちた時点で職務経歴書を何度も書き直す人は多いですし、その気持ちもよくわかります。でも、書き方に手を入れる前に見てほしいのが応募先のほうで、必須条件を満たしていない求人にいくら丁寧な書類を出しても、結果はほとんど変わらないからです。
だから最初にやるのは、「どこで落ちているのか」を1か所に決めることです。全部いっぺんに直そうとすると、あとから何が効いたのか自分でも分からなくなってしまいます。
応募先が合っていないだけ、というのが一番多い
応募できる求人と、受かる可能性のある求人は、別物です🔍
未経験の書類選考でいちばん多いつまずきは、この線引きがずれていることだと感じています。カギになるのは、求人票の「必須」と「歓迎」の読み分けです。
| 書き方 | 求人票での例 | 満たしていないと |
|---|---|---|
| 必須 | 「〜必須」「〜が使える方」「要普通自動車免許」 | 書類の中身を読む前に外れやすい |
| 歓迎・尚可 | 「〜歓迎」「〜尚可」「〜経験者優遇」 | なくても応募できる。あれば有利になる程度 |
「未経験歓迎」と書いてあっても、別の欄に「社会人経験3年以上」などの必須条件が置かれていることがあります。
「必須」と書かれた条件は、企業が採用の前提として置いているものです。ここを満たしていないと、書類の中身を読まれる前に選考のテーブルから外れやすくなりますし、一方の「歓迎」「尚可」は、あれば有利になるという程度なので、全部そろっていなくても応募して構いません。
この線引きを見落とすと、逆方向のミスが両側で起きます。片方は、歓迎条件が欠けているだけで「自分には無理だ」と応募をやめてしまうこと。もう片方は、必須条件を満たしていないのに「未経験歓迎と書いてあるから」と出してしまうことです。
求人票のどの欄に何が書かれているかは、「未経験歓迎」の求人票、どこを見るかで欄ごとに整理しています。
企業が「必須」を厳しめに書くのには理由があります。応募が増えすぎると、選考が回らないからです。だから未経験可の求人でも、普通自動車免許や社会人経験、簿記などで最初のふるいをかけます。裏を返せば、その一つを持っているだけで通過率が上がる求人もある、ということです。
求人票のどこを見て応募先を決めるかは、未経験から事務職へ|求人の探し方と現実でも、競争率の高い職種を例に整理しています。
やっかいなのが「未経験歓迎」という言葉そのものです。職種は未経験でよくても、社会人経験が数年ぶんいる、特定の資格がいる、といった条件が別の欄にぶら下がっていることがあります。「その仕事の経験がなくても応募できる」という意味であって、「誰でも通る」という意味ではありません。
求人を開いたら、キャッチコピーではなく応募条件の欄まで一度目を通す。これだけで、当たりの求人に時間を使えるようになります。
出した数と中身を、一度だけ数えてみる
まず、実数を出します📊
「全部落ちた」という感覚は強く残るのに、実際に何社出したかを指で数えたことがある人は、あまりいません。次の3つだけ、紙かスプレッドシートに書き出してみてください。
- これまで応募した会社の数
- そのうち、必須条件を全部満たしていた会社の数
- 書類をほぼ使い回した会社の数
この3つが並ぶと、つまずいている場所が自分で見えてきます。10社出して1社も通らなくても、必須条件を満たしていたのが2社だけだったなら、それは経歴の問題ではなく応募先選びの問題ですし、逆に、条件は満たしているのに通っていないのなら、次に手を入れるのは書類のほうです。
「たくさん落ちた」と思っていたのに、数えてみたら3社だった、ということもよく起こりますし、3社の結果だけで自分の市場価値を決めてしまうのは、さすがに早すぎます。
数え終えたら、いちばん小さい数字に注目します。20社出して必須条件を満たしていたのが3社だけなら、先に増やすべきは応募数ではなく「条件の合う求人の数」のほうです。書類を練り直すのは、その次で間に合います。
3つめの「使い回した数」も、あとで効いてきます。使い回すこと自体は問題ありませんが、応募先ごとに志望動機を一行も変えていないと、そこで差がつく場面があります。何社ぶん使い回したかが見えると、書類に手を入れる順番も決めやすくなります。
頭の中で振り返るより、こうして書き出して目の前に並べたほうが、次の一手はずっと決めやすくなります。
数えたあとに何をどの順番で変えていくかは、応募を続けながら試す話になるので、そちらは別にまとめました。
書類そのものの粗で止まっている場合もあります。年月の表記や社名の書き方でつまずいていないかは、履歴書のほうの記事で確かめてください。
経歴の欄に「作業の名前」しか書いていない
品出しの仕事を3年していた26歳のKさんは、応募書類の職歴欄を3行で済ませていました💡
職歴欄に書いてあったのは「品出し・レジ・発注補助」の3つだけで、それ以上は何もありませんでした。
嘘は一つもありませんが、この3行から伝わるのは作業の名前だけで、Kさんがその場で何を考えて手を動かしていたのかは、読む側にはまったく見えません。
実際のKさんは、閉店前にパンの棚が乱れやすいことに気づいて、品出しの順番を売れ行きの多い棚からに変えていました。新人が入るたびに同じ質問を受けるので、値引きシールの貼り方を紙にまとめて休憩室に置いてもいました。
「こんなの、やって当たり前のことだし」
そこまで意識していなかったので、Kさんは書類に一つも書きませんでした。あまりに日常の動作すぎて、職務経歴書に載せるものだという発想がなかったんです。書類が5社続けて返ってきたあと、ためしにこの2つを書き足したら、次の応募で面接に呼ばれました。
掘り下げ方の手順は未経験の職務経歴書に書くことがない人へにまとめています。
作業名だけ
- スーパーで品出しとレジを担当していました
- 接客を通してコミュニケーション能力を身につけました
工夫を1行足す
- 閉店前に棚が乱れやすかったため、売れ行きの多い棚から品出しする順番に変えました
- 新人から同じ質問が続いたので、値引きシールの貼り方を紙にまとめて休憩室に置きました
after側にも、資格や大きな数字は出てきません。それでも、仕事の中で何かに気づいて、手を動かして変えていたことは伝わりますし、自分で「コミュニケーション能力が身につきました」とまとめなくても、どんな場面で何をしたのかを並べておけば、そこから先は読み手が受け取ってくれます。
この一行の差は、未経験の応募でとくに大きく出ます。実務の実績で横並びに比べられない分、採用担当は「仕事にどう向き合う人か」を経歴欄から読み取ろうとするからです。作業名だけの3行は、その材料がまるでない状態だと思ってください。
うまく思い出せないときは、当時いっしょに働いていた人に「私って何を気にして仕事してた?」と聞いてみるのも早くて、自分では普通だと思っていたことほど、他人のほうがよく覚えているものです。
それでも「書けることがない」と感じるなら、スキルなし・資格なしでも転職できる?で、経験を分解して組み合わせる考え方を扱っています。
志望動機が、どの会社にも出せる内容になっている
「御社の理念に共感しました」。この一文で終わっている志望動機は、社名を入れ替えても成り立ってしまいますし、それだと「なぜうちなのか」が採用担当にはまったく伝わりません🎯
志望動機は、3つをひとつながりにすると考えやすくなります。きっかけ、接続、展望という並びです。
- きっかけ…なぜその仕事や業界に興味を持ったのか
- 接続…これまでの経験がどこで活かせそうか
- 展望…入ってから何をして、どう伸びていきたいのか
この3つをどこから拾ってくるかは、未経験転職の志望動機の書き方 3つの材料は、取る場所が違うに例文つきで載せています。
3つのうち、未経験の応募で抜け落ちやすいのは真ん中の「接続」です。「興味があります」と「頑張ります」の間に、これまでの経験が入っていないと、熱意だけの志望動機に見えてしまいます。人と話す仕事をしてきたなら、そのどこが応募先の業務とつながるのかを、一行でいいので挟んでおきます。
「将来性のある業界だと思いました」も、単体では弱い一文です。なぜそう感じたのか、その中で自分は何をしたいのかまで書くと、同じ内容でも伝わり方が変わってきます。
毎回ゼロから書き直すものではありません。土台は共通で構わなくて、応募先の事業やサービスを見て、自分の経験と重なる部分だけを会社ごとに差し替えます。社員インタビューや代表メッセージを読んで、実際に引っかかった一文を入れるだけでも、「調べたうえで出している」ことは伝わります。
同じ「顧客対応の経験」でも、会社に寄せると具体度が変わります。
前職の販売でお客様の要望を聞き取る仕事を続けるうちに、聞くだけでなく、その先の仕組みづくりに関わりたいと思うようになりました。接客で身につけた聞き取りの力を、御社の商品開発チームで、店舗からの声を拾う場面に活かしたいと考えています。
クレーム対応で「相手が本当は何に困っているのか」を整理して伝える経験を重ねてきました。御社の「現場の声を製品に返す」という方針に惹かれており、利用者の声を開発につなぐ役割を担いたいと考えています。
きれいに書こうとしなくて構いません。「なぜこの会社で働きたいのか」を自分のしてきたことと一本の線でつなげてさえいれば、表現が多少ぎこちなくても、伝えたい中身のほうはちゃんと届きます。
それでも通らないときに、確認したいこと
応募先を選び直して、書類も直した。それでも動かないときは、応募数を見ます🤝
未経験からの転職は、経験者の採用より受け皿がどうしても狭くなります。そのため、数社で結果が出なかっただけで「どこにも通らない」と結論を出すのは早いんです。
かといって数だけ増やすのも違っていて、必須条件を確かめずに出したり、全社に同じ書類を送ったりしても、落ちる数が積み上がるだけです。条件を満たした求人に、絞ったうえで出しつづける。この形が続けられるようになると、母数の問題は自然に解けていきます。
もう一つ、手が尽きたと感じたら、書類を人に見てもらってください。転職エージェントでも、キャリア支援の窓口でも、転職したことのある知人でもかまいません。自分では強みだと気づいていない部分や、伝わりにくい言い回しは、他人の目のほうが早く見つけます。一人で十回書き直すより、一回見てもらうほうが近道になることは多いです。
見てもらうときは、「どこか変なところありますか」ではなく、「この経歴で、この求人の書類は通りそうですか」と具体的に聞くほうがいいです。質問が具体的だと、返ってくる指摘も具体的になります。
それでも通らない状態が続くなら、応募する職種の幅を一段だけ広げる手もあります。大きく方向転換する話ではありません。一般事務だけで見ていた人が営業事務や経理補助も対象に入れる、その程度の調整でも、条件の合う求人はまとまった数で増えます。
「どの求人なら通るのか」から相談できます
サクキャリマッチで無料相談してみる※サクキャリマッチは、転職するかどうかを決めていない段階から使える無料の相談サービスです。 オンラインで全国から使えて、求人紹介だけでなく、今の書類のどこが弱いかも一緒に見てもらえます。
よくある質問
何社くらい落ちたら、やり方を見直すべきですか?
決まった社数はありません。ただ、同じような求人で立て続けに5社、10社と落ちているなら、そのまま数を足す前に、応募先の条件と書類の中身をいったん点検したほうが早いです。必須条件は満たせているか、経歴の欄で仕事の中身が伝わっているか。まずはこの2つが確認のポイントになります。
職務経歴書は、応募先ごとに書き直したほうがいいですか?
職歴や基本の仕事内容まで毎回書き替える作業は要りません。変えるのは、自己PRと、アピールする経験の並び順くらいで十分に伝わり方が動きます。求人が求めている人物像を読んでから、自分の経験のうち近いものを前に出す。そこだけ動かせば足ります。
「未経験歓迎」なのに落ちるのはなぜですか?
この言葉は職種についての表示で、応募条件がゼロという意味ではないからです。社会人経験の年数や資格、業界経験などが、別の欄に条件として置かれていることがあります。応募が集まりやすい枠でもあるので、条件を満たしていても比較で後ろに回ることがあります。まずは募集要項の条件欄を、隅まで読んでみるところからです。
書類が通らないのは、年齢のせいですか?
年齢だけを原因と決めることはできません。年代によって企業が見る場所が変わるのは事実ですが、落ちているのが年齢のせいなのか、応募先の条件や書類のせいなのかは、応募状況を並べてみないと切り分けられません。年齢で諦める前に、まず応募先の選び方と書類から見直す価値があります。
まとめ:落ちる理由が分かれば、次の一手が決まる
書類が続けて返ってくると、経歴そのものを突き返されたように感じます。でも、落ちた理由の全部が「経歴が弱いから」に行き着くわけではありません。
明日からできることを、2つだけ挙げておきます。
- これまで応募した求人を並べて、必須条件を満たしていたものが何社あったか数える
- 職務経歴の欄に、担当した作業だけでなく、自分で工夫したことが1行でも入っているか見る
進め方の全体像は未経験転職の完全ガイドにまとめてあります。
このどちらかを1回やるだけで、次にどこへ手を入れればいいかが見えてきます。
落ちた数は、あなたの値打ちの合計ではありません。理由を一つずつ分けて、応募先と書類を少しずつ整えていく。順番さえ守れば、通過率は後からついてきます。